□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年9月9日第672号 ■ ============================================================= 韓国の水産物全面輸入禁止が教えてくれること ============================================================== 五輪誘致合戦が大詰めを迎えていた時であったから見過ごされ勝ちであったが、韓国政府は9月6日、福島県など8県の水産物輸入を全面禁止すると発表した。 これは、本当はものすごく衝撃的なニュースだったのだ。 何とかして水産品の風評被害から立ち直ろうとしている関係者にとっては耐えられない思いで受け止められたに違いない。 風評被害をなくそうと躍起になってきた日本政府にとっても衝撃的であったに違いない。 おりから五輪誘致で放射能汚染の心配は無いと必死になっていた時だ。 何もこのタイミングでそんな発表をしなくてもよかろうに、と思った国民も多かっただろう。 実際のところ宮城県の村井知事などは「大変残念。韓国政府は過剰に反応しすぎではないか」と強く反発したらしい(9月7日日経)。 いかにも村井知事らしい軽卒で間違った発言だ。 韓国の水産物輸入制限について、日本は一切の文句を言ってはならないし、言う資格はないのである。 もちろん韓国政府が嫌がらせの政治的意図でこの発表を行なったはずはない。 中国が韓国の後に続いて輸入禁止に踏み切っても、同じである。 そして、ここが重要なところだが、たとえ韓国や中国が悪意を持ってそのような行動に出ても、日本は一切の文句を言えないし、言ってはならないのだ。 なぜならば日本は放射能汚染水を垂れ流して世界に不安をばら撒き続けているからだ。 おまけに薄めて流せばいいとまで言ってこれからも流そうとしている。 いくら数値が低い、この程度は安全だ、などと言ってみたところで、科学的コンセンサスがない以上、不安を抱く国民を誰も非難する事は出来ない。 国民が不安を抱く以上、その国民の生命と安全を預かる政府は、いやしくもその政府が民主国家と言うなら、どのような手段を講じてもその国民の生命と安全を守る義務がある。 そしていかなる国も、そのような国民を守る決定に文句を言えないのだ。 放射能汚染問題とは、かくも深刻なものなのである。 福島原発事故の収束とその被害から国民を守ることこそこの2年間の日本政府の最重要課題だった。 これまでのすべての首相や政権は、この事を、あらゆる事に最優先して、もっともっと真剣に取り組まなければならなかった。 そして安倍首相は、日本がこの問題を克服すると世界に大見得を切って五輪誘致に成功した。 もはや安倍首相がまともな感覚を持つ人間なら、その言葉の責任の重さに押しつぶされんばかりに、福島原発事故から生じるあらゆる問題に取り組まなければならないはずである。 消費税増税や集団的自衛権や歴史認識問題などにエネルギーを使う余裕などまったくないのである。 果たして安倍首相にはそれを理解する能力があるのか。 おそらくないだろう。 しかし、そうさせなければいけない。 安倍側近はもとより、政府の内部に身を置く政治家や官僚は安倍首相を羽交い絞めにしてもそうさせなければいけないのだ。 さもなければ安倍首相に変わる人物を担ぎ出してでもそのような政権を実現させなければいけない。 これからの7年間はそのような政治の時代にしなければならない。 韓国の水産物輸入禁止発表が教えてくれた事は、まさしくその事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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