□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年9月8日第669号 ■ ============================================================= 尖閣に日本が気象観測所を建設する事に反対していた米国 ============================================================== これほど重要な史実が明らかになったというのに、なぜメディアはそれを大きく報道して国民に知らせようとしないのだろうか。 機密指定解除された米公文書によって、尖閣をめぐる米国の立場に関する決定的に重要な事実が明らかになった。 これを配信したのは9月5日の共同通信であったが、それを大きく掲載したのは9月6日の産経と東京だけだった。 その後、後追いする報道はなく、解説記事を書く大手新聞に至っては皆無だ。 それなら私が書く。 共同通信の報道内容はこうだ。 すなわち沖縄返還前年の1971年1月11日付の在日米大使館の公電などによると、日本政府が尖閣(現沖縄県石垣島)の施政権返還を見越して気象観測所を尖閣に建設しようとしたところ、台湾、中国との対立のリスクを高めるとして米政府が反対し、日本政府は建設を断念したという。 これは今の尖閣問題を考える上で極めて重要な史実である。 尖閣領有権についての米国の中立方針は、すでにその時から確固としたものであったのだ。 それから半世紀近くたって、中国の国力と米国にとっての中国の重要性は格段に高まった。 いまの米国は当時よりもはるかに強い意思を持って領有権問題について中立的であること当然なのだ。 当時でさえ日本に対し中国との関係悪化を招くような行動を取るなと米国は命令していた。 軍事衝突の危険性が高まった今は、米国はもっと強く日本に対して命令している筈だ。これ以上中国との関係を悪化させるなと。 米国は当時、気象観測所という非軍事的施設でさえその建設を認めなかった。 今の安倍政権の右翼閣僚らはもっと強硬な施設建設を主張している。 米国が認めるはずがない。 そして当時の日本政府は米国に反対されてあっさりあきらめている。 対米従属をますます強めている今の日本が米国に逆らう事はあり得ない。 こう考えていくと今の安倍政権の尖閣問題に対する強硬姿勢が、いかにピント外れであるかがわかる。 このまま安倍政権が中国との関係を緊張させたままでいると、そのうち米国はいい加減にしろと強硬手段に訴えてくるだろう。 安倍首相が対中政策を変更した時は、米国の命令があったと考えたほうがいい。 そして今米国の公文書の発見で氷解した。 なぜこれまで日本政府は尖閣に施設を造って実効支配の実績を積み上げてこなかったのか、という謎が。 考えても見るがいい。 日本は尖閣については領土問題はないという強い立場を取っている。 それならばこれまでなぜそれを確実にすべく公的な施設を造ってこなかったのか。 当時はまだここまで中国が高圧的に出ていなかった時である。 やろうとすれば出来たはずだ。 そして日本政府は実際にやろうとした。気象観測所を建設しようとした。 ところが米国がそれに反対し、日本はあっさり断念した。 ひょっとして、不勉強な今の外務官僚と、その言いなりになっている安倍首相は、この公文書の史実を知らないのではないの。 外務省にはその極秘記録は間違いなくあるというのに、である。 もし知っていながらそれを封印しているとしたら責任問題だ。 この共同通信が配信したニュースの重要性は、いくら強調しても強調し過ぎることはないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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