□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年8月26日第643号 ■ ============================================================= 例外だらけになりつつあるTPP交渉 ============================================================== TPP交渉を報じる今日8月26日の記事の中で、米国が新提案をして波紋を広げていると言う記事があった(8月26日読売)。 すなわち米国は「たばこ」を例外的品目と位置づけ、国ごとに異なる規制を行なう事を尊重すべきだと言い出したという。 これは、米国が導入しようとしている「国家と投資家の紛争解決」条項(ISDS条項)の下で、タバコの健康被害に関する警告の表示をつけた国が、別の参加国のタバコ会社から訴えられることを防ぐ目的のためだという。 しかしこのような理由でタバコを例外品目にすると、参加国の中から次々と、それぞれの事情から例外品目の要求が出てくるおそれがある。 そもそも米国は日本との二国間協議において米国の自動車は例外扱いすることを早々と認めさせた国だ。 この変身ぶりはどうだ。 米国の変身ぶりはまだある。 きょう8月26日の日経新聞が報じている。 関税をなくすまでの猶予期間を10-20年程度まで認める方向で議論が行なわれていることがわかったと。 交渉の年内妥結を急ぎたい米国が、工業品の関税撤廃を嫌がるベトナムなど新興国に配慮して譲歩を重ねているからだという。 TPP交渉はいまや例外だらけである。 しかしTPPの最大の特徴は「例外なき自由化」だった。 これが米国が最も強調し、重視していたTPPのメリットであった。 例外競争に走るようになってはTPPはもはやTPPではない。 TPPは通常の貿易自由化交渉になってしまったということだ。 私はかつてTPP交渉は日本が参加した時点で終ると書いた。 なぜならば交渉が始まれば、もはやTPPの是非をめぐる抽象論は終わり、国益最優先の現実が露呈するからだ。 妥協と玉虫色の交渉に関心は移らざるを得ない。 これまでのWTO交渉やその他の多国間自由化と変わらない交渉となる。 その通りになった。 複雑で地味な交渉にすっかり移行してしまった。 そして米国の関心はもはやTPP協定の内容より、「年内妥結」実現という形式に移りつつある。 メディアの報道もそれに伴って変化させられていく。 米国はそれでいいのだ。 実利は日本との二国間協議で既に得た。これからも得ようとするだろう。 これまでの日米経済協議と同じである。 米国にとってTPPの役割は終ったのである。 TPPは終ったということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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