□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年7月4日第490号 ■ ============================================================= エジプトの軍事クーデターの背景にあるもの ============================================================== いまから1年ほど前にエジプト国民の手でムルシ大統領が選ばれた時、私はこの歴史的な政権交代を喜んだ。 その時の思いを私は2012年6月25日のメルマガ第489号「中東の歴史が動いたエジプト大統領選挙の結果」と題して書きとどめた。 いまそれを読み返してその時の興奮ぶりが気恥ずかしいほどだ。 そしてその後もムルシ大統領を応援して眺めて来た。 そのムルシ大統領が、わずか1年後に国民の信を失って失墜することになるとは思いもよらなかった。 イスラム宗教色を強く出したことや、何よりも経済的困窮を招いたその政策が、一般国民から嫌われたという事になっている。 残念なことだ。 そう思っていたが、ムルシ追放にエジプト軍が全面に躍り出た事によって私の見方は俄然異なるものになった。 これは紛れもない軍事クーデターだ。 そして軍事クーデターはいかなる意味でも許されない。 日本の報道は鈍感だが、今日7月4日の日経によれば3日付のフィナンシャル・タイムズ紙はすかさず「民主主義に軍は不要」と書いている。 そしてここからがこのメルマガで私が書きたいことだ。 エジプト軍といえば米国が財政的にも軍事的にも支援して来た。 そこに米国の影はないのか。 すべての中東の政権の裏には必ず米国・イスラエルの動きがあるというつもりは無い。 たとえばシリアだ。 陰謀論者は、あれは米国が反体制派を動かして行なったアサド政権倒しだ、米国の政権転覆工作だ、と決め付ける者がいる。 私はその意見には賛同しない。 アサドは米国傀儡の独裁政権だった。そのアサドが人道上許されない暴挙に出たから反体制派を支援しようとしたが、反体制派に反米テロがもぐりこん来て米国はジレンマを陥った、米国はアサドなき後のシリアをどうやって親米の安定政権にするか、そのことで米国は精一杯であるに過ぎないのだ。 もちろん今度のエジプトの軍事クーデターが米国の工作の結果だと陰謀論者のようなことを言うつもりはない。 確かにムルシ政権はムバラク政権とは対パレスチナ、イスラエル政策で異なる対応を見せてきた。 米国にとって好ましい政権ではない。 しかし今エジプトで直接軍事クーデターを起こすほど米国は愚かではないだろう。 今朝のフジテレビの「特ダネ」で高橋和夫放送大学教授も言っていた。軍事クーデターに反対する動きも議会では見られる。米国も困惑していると。 そうかもしれない。 なによりもエジプトがこんな形で内戦状態になれば中東全体が混乱する。そしてそれは決して米国の利益にはならない。 しかし中東の動きに裏には何でもありうると考える視点は重要だ。 たとえば先般のイラン大統領選挙だ。 私の手元にこういう切抜きがある。 それは6月1日付のワシントン発共同を引用した、「米国はイラン向けのスマートフォンの輸出を解禁した」という毎日、産経の記事だ。 安全保障に関わる情報機器については米国は敵国に輸出することを規制するのが常だ。 ところがイラン大統領選の直前にイランに解禁した。 その理由はイランの大統領選を睨み、改革派の大統領の支援のために若者が発信する事を手助けする為であることは明らかだ。 これが奏功したのかどうか分からないが大統領選では見事に改革派のロハニ氏が選ばれた。 中東情勢は何でもありだ。 日本の報道だけでは中東情勢は本当の事は何も分からない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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