□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年6月19日第449号 ■ ============================================================= 慰安婦問題を解決できないこの国の政治力 ============================================================== 橋下発言で大騒ぎした慰安婦問題は解決したのか。 決してそうではない。 いまでも橋下発言は正しかったと言う者が後をたたない。 それに対し政府は明確な対応を取ろうとしない。 このままでは必ず慰安婦問題は再燃する。 そしてその度に日本の国際的地位は損なわれていく。 なぜ政府はこの深刻な問題に適切な対応をとれないのか。 それに答えてくれる言葉を見つけた。 きょう6月19日の毎日新聞で、「アジア女性基金」創設の呼びかけ人・元理事である大沼保昭明治大学特任教授がこう語っていた。 ・・・慰安婦問題には法、道徳、政治、歴史、フェミニズムなど多様な側面があります・・・ 対処するには並外れた政治的力量が必要ですが、それを支える一致した世論がなかった・・・ そういう事であると私も思っている。 この大沼教授という人は、左右両翼から批判を受けてきた人だと言うが、私は同情的だ。 だれが取り組んでも困難な問題である。 しかし私と大沼教授の違いは、あくまでも政治家には並外れた政治的力量を求めるか、あきらめるかである。 大沼教授は当然のように次のように語る。 「・・・国家補償しようにも、平和条約や韓国との請求権協定などで法的に解決済みという状況がある・・・」 この言葉こそ政治力の限界を認める言葉である。 なぜ国家補償という政治的決断があの時、できなかったのか。 いまからでもそれを行なおうとする政治家が一人も出て来ないのか。 なぜ平和条約を結んだからと言って、そして韓国との間で請求権協定を結んだからといって、その上でなおあらたに国家補償を行なうことができないと決めつけるのか。 それは一重に「並外れた政治的力量」がいまの政治家に一人もいないからだ。 官僚の論理を政治家が当然の如く受け入れるからである。 並外れた政治的力量があればできない事は何もない。 そして、ここからが本題である。 いまさら国家補償が困難というならば、せめて今度の騒動を将来に活かすべく、強制があったかなかったかについて政府の統一見解をつくるべきだと思う。 おなじくきょうの毎日新聞で、河野談話の取りまとめに内閣官房副長官として関わった石原信雄氏のインタビュー記事が掲載されている。 そこで石原氏は慰安婦強制は否定できないと明確に述べている。 石原氏といえば歴代官房副長官の中でも官僚の中の官僚と認められた人物だ。 この際、与野党の政治家は石原氏をはじめとした河野談話、村山談話に関わった政治家、官僚たちに国会で証言を求め、それらを総合的に判断して慰安婦問題ついての統政府見解を打ち出すべきではないのか。 「強制はなかった」という発言が公人から二度と将来出る事がないようにすべきだ。 安倍内閣は18日、橋下発言に対する反論を求める国連拷問禁止委員会の勧告について、「法的拘束力を持つものではない」という理由で無視するという答弁書を閣議決定したという(18日朝日) 菅官房長官はそのことについて「政府として(慰安婦問題については)改めて発言することはないという趣旨だ」と述べたという。 これは慰安婦問題からの遁走である。 安倍首相に「並外れた政治的力量」までは求めない。 せめて強制はあったかなかったかについて、これ以上不毛な発言が出て来ないように、最低限の政治力を発揮して一歩前進してもらいたいだけである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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