□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年6月15日第438号 ■ ============================================================= TPP交渉に見る日本外交の弱さの理由 ============================================================== 日本の外交が脆弱な理由は数多くある。 しかし、その最大のものは、国民の利益を最優先して外交を行なわないことである。 外務省が日本国民のために仕事をしていない典型的な例が在外公館における領事事務だ。 本来ならば外国で不便や不利益にあった日本人が日本大使館に駆け込めば、日本大使館は邦人保護にあらゆる便宜を尽くさなければならない。 どの国の大使館もそうしている。 そうしないと国民から強い抗議を受けてたちどころに政府の責任問題につながるからだ。 ところが日本大使館の場合は違う。 邦人が困っていても、親身になって助けようとしない。 その事は外交全般にも当てはまる。 ここからがこのメルマガのテーマである。 TPP交渉に臨む各国の外交を見ると日本外交との決定的な違いがあることがわかる。 その事を6月12日の日経新聞「底流」というコラムが見事に教えてくれていた。 そのコラムのタイトルは「TPP交渉に影の主役」というものだ。 「影の主役」とはステークホールダー(利害関係者)、すなわちTPP交渉の結果から直接に利害を受けるその国の企業や業界団体のことである。 米国はもとより各国は官民一体で交渉を仕掛けてくる。 つまり各国の政府交渉担当者はそれぞれの国の企業や業界団体に十分な情報提供を行い、場合によっては交渉にも参加させてその利害を交渉の場で最大限に活かそうとする。 ところが日本だけは対照的だ。 日本は政府交渉団以外の関与を拒む。 ぜいぜい企業や業界団体の意見を聴取する程度だ。 希望があれば言ってみろ。それを参考に交渉してやる。といった態度だ。 だからこそ日本の企業や業界団体は情報不足に不満を募らせる。 全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長が6月7日の記者会見で「TPP交渉は秘密裏に行なわれている。異質な貿易交渉と言わざるを得ない」と不満を爆発させたことは記憶にあたらしい。 その日経の記事は次のようにその記事を締めくくっている。 「・・・交渉を有利に進めるには自国の産業界や業界団体を巻き込みつつ、長期的な国益を描いていく必要がある。利害関係者会合の存在は、日本の国際通商交渉のあり方に問いを投げかけている」 もはや外交交渉は外務省や関係省庁が独占する時代ではないのである。 いや彼らが日本の国益を左右する外交交渉を独占しているからこそ日本外交は日本の国益のためにならないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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