□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月19日第357号 ■ ============================================================== 見えてきた飯島訪朝の正体と安倍首相のとるべき道 ============================================================== どうやら飯島訪朝の正体が見えてきたようだ。 メディアが報じる様々な憶測記事の中でも群を抜いて的確な分析をしていたのがきょう5月19日の朝日新聞の検証記事だ。 それを私なりに補足して要約するとこういう事になる。 もともと対北朝鮮強硬派の安部首相だが、拉致問題解決への思い入れも強い。 「もう一度首相の座に就いたのも拉致問題を解決しなければならない使命感からだ」と拉致被害者家族の前で語り、「拉致問題は安倍政権のうちに解決しなければならない」(17日に大分市で記者団に語った言葉)と繰り返すのはその思いのあらわれだ。 しかし、ミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮への制裁が高まる中では日朝交渉再開の糸口はつかめない。 「米国の拉致問題への関心は高くない。核問題が解決されれば置き去りにされかねない。日本が主体的に取り組むしかない」 そう思い定めた安倍首相は、圧力が弱まっても拉致問題解決を探る対話に踏み出したのである(ちなみに5月19日の毎日新聞はこれを「安倍首相の賭け(首相側近)」と書いている)。 しかし賭けは裏目に出た。 密かに飯島氏を平壌に送ったのにそれを北朝鮮側が公表したからだ。 当然のことながら、米韓政府が聞いていない、北朝鮮制裁強化の邪魔をすることになる、と強い反発を示した。 北朝鮮側もまた、飯島訪朝を日米韓分断に利用しようとあからさまな宣伝をした。 世界の前で飯島氏をベタ褒めし、反発を示す韓国政府に対し、「どの国の誰がどこを訪れようと第三者があげつらうことではない」と北朝鮮の公式サイトで批判するありさまだ。 これでは、このまま日朝協議に突き進むわけにはいかない。 とたんに安倍政権は「拉致、核、ミサイルの包括的解決が基本的方針」(菅官房長官記者会見)と言わざるを得なくなった。 以上が今度の飯島訪朝の正体であることはほぼ間違いない。 そうだとすれば今後の見通しは暗い。 飯島訪朝は軽率の極みだったということになる。 ただでさえ歴史認識問題などでギクシャクしている米国、韓国との関係を、更に悪化させただけで終ることになる。 しかし私は朝日の記事の最後に書かれている次の記述に注目した。そこにかすかな希望を感じる。 「・・・ただ、独自外交の選択肢は捨てていない。首相側は不信感を示した米政府に対し、日本単独でも拉致問題の解決に向けて日朝交渉を進める姿勢を伝えた。打開に向けた日朝首脳会談も否定しない・・・」 もちろん、朝日は、そのハードルは高いと書くことを忘れない。 そして今の安倍首相とその取り巻きからは多くを期待は望めないことも事実だ。 しかし、安倍首相に、もし次のような自主外交の正しい認識と、それを実行する勇気があるなら、そのハードルを乗り越える道は残っている。 つまり日朝国交正常化は日本にとって唯一、最大の残された戦後外交の一大課題であり、それに反対する権利はどの国にもないということだ。 そして北朝鮮との国交正常化については、米国や韓国と比べて最も有利な立場にあるのが日本であるということだ。 しかも核、ミサイル問題も、国交正常化の協議の中でこそもっとも良く解決できる可能性の高い問題であるということだ。 すなわち、米国や韓国の反発とは逆に、日朝国交正常化こそが現下の北朝鮮問題解決にとって最も有効な手段であるという認識である。 果たして安倍首相がこの事に気づき、あの小泉首相でさえも出来なかった日朝国交正常化に向かって確実に歩を進める事ができるだろうか。 少なくとも安倍首相を取り巻く飯島勲参与や谷内正太郎参与や、外務官僚では無理である。 このメルマガの存在を知り、それを取り入れる度量が必要であるということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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