□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年4月29日第307号 ■ ============================================================== 「日台漁業協定」という名のもう一つの沖縄切り捨て ============================================================== 私のメルマガを読んで沖縄問題に気づき、いてもたっても入られない思いで4月28日に沖縄の宜野湾市で開かれた「政府式典に抗議する『屈辱の日』沖縄大会」に参加してきたという30代の読者からメールをいただいた。 読者にそこまでの行動をとらせた責任を痛感せざるを得ないが、ここで書きたいことはその事ではない。 その読者が私に報告してきた抗議集会の模様のなかで、印象的だったとして次のような内容が書かれていたことだ。 すなわち稲嶺名護市長の挨拶の中で、日台漁業協定に対する怒りのコメントがあった、日本政府と台湾が、沖縄の頭越しに協定を結んだことが許せないと激しく抗議していたというのだ。 この報告に接して私はあらためて日台漁業協定が合意された当時の報道の事を思い返した。 当時の報道では、尖閣問題で中国と台湾が共同して日本に対抗してくることを防ぐために、台湾に譲歩して台湾との漁業協定を先行させ、中国と台湾の間にくさびを打ち込んだと、これは日本外交の勝利だ、などという報道ばかりだった。 しかし、ただでさえ微妙な中国と台湾の関係にくさびを打つなどという事を公言するのは、中国との関係を更に悪化させるような稚拙な外交だ。 なぜ日本はそんな日台漁業協定合意を行なったのか、という疑問を私は当時抱いた。 それにもまして私が疑問に思ったのは、その直後に起きた沖縄漁民の反発だ。 それに対して菅官房長はすかさず4月11日の記者会見で「漁獲高が減るなどの影響が出た場合には、政府として責任を持って対応する」と補償をあっさり認めた。 つまり沖縄の漁民が不利になる事を承知の上で台湾に譲歩したのだ。 それでも沖縄の怒りは収まらず、高良倉吉副知事は4月12日に首相官邸を訪れて抗議している。 よほど沖縄に不利な内容に違いない。 そう思っていたところに「主権回復の日」式典における「頭越し」発言だ。 沖縄の本当の怒りがこれでわかった。 政府は沖縄に事前の相談無しに台湾との合意を急いだのだ。 なぜ沖縄と協議して進めなかったのか。それは沖縄の反対にあって交渉がまとまらないと困るからだ。中国と台湾の分断作戦がうまくいかないことをおそれたからだ。 ただでさえ稚拙で、誤った中台分断作戦である。 それを成功させるために沖縄を無視して台湾との合意を急いだ政府・外務省。 沖縄が怒るのはもっともだ。 「主権回復の日」式典の強行に抗議する集会で日台漁業協定についての怒りをぶつけざるを得ない。 それは政府・外務官僚のもう一つの沖縄切り捨てであったからだ。 いま日本で安倍政権に対し最も強く抵抗しているのは沖縄に違いない。 沖縄の怒りが日本を変えるかも知れない。 沖縄の対応を間違えると安倍政権の命取りになるかもしれない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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