□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年4月15日第267号 ■ ============================================================== ラスムセンNATO事務総長が認めたアジア集団安保体制の必要性 ============================================================== あまり報じられないがラスムセンNATO事務総長が訪日しているはずだ。 何のための訪日なのか。その事について私は3月20日のメルマガ第195号で書いた。 すなわち表向きにはアフガニスタンの支援要請や北朝鮮、イランの動向について日本と協議するためであるが、隠された重要な目的の一つは、最新鋭ステルス戦闘機F35に関し、日本企業の部品製造参入に向けた連携を確認することであると。大手新聞は一切書かないが私が住んでいる栃木県の地方紙である下野新聞がそう書いていた、と。 果たして今回の訪日記事でその事を報じる大手新聞はあらわれるだろうか。 しかしこのメルマガで私が指摘したいことはその事ではない。 ラスムセンNATO事務総長は訪日直前にブリュッセルのNATO本部で日本の各紙とインタビューに応じていた。 そのインタビュー内容を報じる4月11日の朝日の記事の中で、ラスムセンNATO事務総長は極めて重要な発言をしていたのだ。 すなわち北朝鮮情勢の不安定化や中国の脅威が取り沙汰される中で、ラスムセンNATO事務総長はいまこそ日中韓の参加国が加わる形の東アジアの集団安全保障体制について、「それはできる」と思いたいし、「できるはずだ」と言ったのだ。 私が注目したのは、アジアでは欧米のようにキリスト教という一つの宗教で結びついているわけではなく、価値観も多様だ、そんなアジアで欧州と同様の集団安全保障体制ができるのかという朝日の懐疑的な質問に対して、次のようにその考えを否定した部分だ。 「・・・平和構築という共通ビジョンともめ事が起きたときに平和的に解決するという意思は、強力にお互いを結びつける要素になる。アジア特有の状況は考慮しなければならないが、意思を持ち、正しい組織と機関をつくれば、協力し合う精神を促すことはできるはずだ。」 言うまでもなく。この朝日の質問は、「アジアでは欧州のような集団的安全保障政策を模索するのは時期尚早だ」という日本の官僚や学者の定説に基づいた質問である。 その背後には「日本の安全保障は日米同盟でのみよく守られる」という対米従属の日米同盟絶対視の考えがある。 おそらく朝日の記者はラスムセン氏から、そのとおりだ、アジアでは困難だ、という答えを期待して聞いたに違いない。 しかしラスムセン氏はその期待に反して、可能だ、必要だ、と答えた。 そんな事はない。アジアでも集団安全保障体制は構築できる。「紛争は平和的に解決する」、「平和を構築して見せる」、という確固とした意思さえあれば、アジアでも集団安全保障体制は可能であるし、また好ましい、と言い切ったのだ。 素人の言葉ではない。軍人の言葉だ。 しかもNATO事務総長との言葉なのである。 アジアでは集団安全保障体制にはなじまない、と言い続けてきた日本の官僚や識者はこの言葉に反駁できるのか。 いかに日本の官僚や識者の安全保障論議がいい加減で「右へならえ」の「金太郎あめ」であるかがわかるということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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