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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 死してなおイスラエル・米国を苦しめるアラファト議長
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年7月13日第531号 ■   ==============================================================    死してなおイスラエル・米国を苦しめるアラファト議長  ==============================================================  パレスチナ自治政府のアラファト議長が死亡したのは2004年の 11月11日だった。  当時私はすでに在レバノン大使を辞していたが、この訃報をオランダ のハーグ国際司法裁判所内で開かれていたパレスチナ和平に向けた国際 シンポジウムに出席していた時に知った。  アラブから参加していた出席者たちの中には、これが単なる病死では なく暗殺だと言う者がいた。  それから8年近くたった今年の7月3日、中東の衛星テレビ局「アル ジャジーラ」が独自調査委で元議長の遺品から放射性物質ポロニウムが 検出されたと報じ、日本のメディアもそれを一斉に転報した。  やはりそうだったかと、私はこのニュースを感慨深く聞いた。  日本のメディアでパレスチナ問題をまともに報道するものはない。  日本国民もパレスチナ問題に関心はない。  だからこのニュースは、日本では話題にもならずやり過ごされた。  私もあえてこのメルマガで取り上げる事はしなかった。  ところがきょう7月13日の読売新聞で、エルサレム発井上亜希子 記者が次のような続報を書いた。  すなわちパレスチナ自治政府が国連などにアラファト氏の死因究明 を要請する事を決定したと。  ちなみに読売新聞はイスラエル支局長からパリ支局長に転じた三井 美奈記者がパレスチナ問題を熱心に配信していたが、その後任者と思 しき井上記者もまた女性記者だ。  他紙に先駆けてアラファトの死の続報を書いている。  おりしも発売中の週刊新潮7月19日号もこう書いている。  ポロニウムは2006年にロシアの元情報工作員で英国に亡命した リトビネンコ氏の毒殺に用いられたもので、ポロニウムの所有国は米、 露、イスラエルなど少数に限られている、と。  埋蔵されたアラファト議長の遺体を掘り起こして精密検査すること にアラファト議長夫人は同意したと。  注目すべき動きだ。  しかし、それにもかかわらずアラファトの死は特定されないだろう。  パレスチナ問題にかかわるあらゆる暗殺の背後にあるのはイスラエル だというのがアラブ人の暗黙の了解である。  そしてその真犯人が決して特定されないのも、これまた暗黙の了解 なのである。  しかし私にとっては、答えは自明だ。  直接に手を下したかどうかは別にして、アラファトは米国・イスラエル に殺されたのである。  アラファトは晩年、汚職と指導力の陰りでそのカリスマ性を失っていた。  それでもパレスチナ抵抗運動の象徴であった。  だからこそイスラエルと米国はそんなアラファトの晩年をパレスチナ 和平という美名の下で進めようとするパレスチナ懐柔策の障害とみなして、 ラマラに幽閉した。  そして「病死」に追い込んだ。  故郷で死なせて英雄にさせてはならないと、パリで「客死」させた。  そしてアラファトの後釜にアッバス議長を据え、パレスチナ自治政府 を見事に傀儡政権にした。  しかしいくら傀儡政権を作ってもパレスチナ民衆の抵抗を抑えつける事 は出来ない。  パレスチナ住民の怒りとイスラエル・米国の暴政の板挟みになってアッ バス議長は何も出来ないままにその座を降りようとしている。  その後にはさらなる混迷が待ち受けている。  アラファト議長の死を思い出すたびに、私はイスラエルと米国の不正義 に怒りをあらたにするのである。  それは多くのアラブ人の共通した気持ちである。  民主化と並ぶ「中東の春」の底を流れるもう一つの大きなテーマである。                              了  ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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