□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年7月12日第529号 ■ ============================================================== アジアの安全保障協議に取り残される日本 ============================================================== 私は7月1日のメルマガ第502号「日本を蚊帳の外に置いて進む アセアン諸国の平和外交」と題して、6月29日の共同通信の記事を 引用して書いた。 7月上旬にカンボジアで開催が予定されている東南アジア諸国連合 (アセアン)外相会議にあわせて、アセアン諸国と米、中などの間で アジアの安全保障に関する重要な協議が行なわれる予定であると。 ところが一人日本だけが蚊帳の外に置かれることになりそうだ、と。 それから10日ほどたって、まさにそれが現実になりつつある。 報じられるところによれば、南シナ海の領海紛争を法的に規制する 「行動規範」づくりについては、中国とアセアン諸国との間で意見の 対立が解消されず、合意に至らなかったという。 それでもアセアン諸国と中国との間では9月以降に再協議すること で合意したという。 米国もまた行動規範の早期策定を後押ししているという。 南シナ海の領有権問題は各国の利害が対立する問題だ。そう簡単に 行動規範について合意ができる話ではない。 それでも「国際法に基づく平和的な解決の必要性」では関係国の 一致があるという。 そんな協議の中で、日本の果たす役割はまるで聞こえてこない。 報道されるのはもっぱら尖閣諸島問題についての日中対立の話 ばかりだ。 その原因は野田首相が突然言い出した尖閣諸島国有化宣言だ。 その意図が尖閣諸島問題の棚上げであればまだわかる。 しかし野田首相の意図は不明のままだ。 中国に伝わらないばかりか、日本国民にとっても不明だ。 それどころか米国までもが日本に対し、国有化の方針を固めたこと について説明を求めたという(7月11日産経)。 かつて福田首相の1977年、日本は福田ドクトリン(註 1.軍事大国とならず世界の平和と繁栄に貢献する。2.心と心の 触れあう信頼関係を構築する。3.対等な立場で東南アジア諸国の 平和と繁栄に寄与する)を発表して日本のアジア外交を鮮明にした。 1990年にはマレーシアのマハティール首相による東アジア経済 共同体構想への参加に日本は三顧の礼をもって迎えられた。 それから20年余いま日本の東南アジア外交に見るべきものは皆無だ。 政治家が無能でも外務官僚がしっかりしていればいい。 外務官僚が無能でも政治家が指導力を発揮すればまだなんとかなる。 しかしそのいずれもがダメなら日本外交がどんどんと世界から消え つつあるのは残念ながら防げない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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