□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月29日第256号 ■ ========================================================= 危険になったら撤退する日本のPKO ======================================================== 今日(3月29日)の報道の中で私が注目したのはなんと言っても この報道である。 読売新聞が一段の小さな記事で28日の参院外交防衛委員会での 田中直紀防衛大臣の答弁ぶりを報じていた。 南スーダンに派遣中の陸上自衛隊の任務について、「国連の動きを みて、決断すべき時は決断する」と答えたという。 これを読売新聞は次のように解説している。 南スーダンと隣国スーダンとの軍事衝突が起きてその危険性が陸上 自衛隊の活動に危険が及ぶ可能性が出た際には撤退する検討する考え を示したものだ、と。 この田中防衛大臣の答弁が、誰の、どういう質問に答えたものかは この読売新聞の小さな記事では不明であり、その前後関係もわからない。 しかし危険が及ぶから撤退するということを本当に言ったとしたら 驚くべき発言である。 世界から派遣されているPKO部隊のなかで、「危険だから撤退する」 ような部隊は日本だけである。 これは田中直紀防衛大臣の失言ではない。 もはや今の田中大臣は失言を恐れ、防衛官僚の作成した答弁を繰り返 すだけの大臣になっていることは国民周知の事だ。 だからこの答弁は防衛省の答弁なのである。 防衛省は自衛隊を戦争に巻き込まれる事はしないと言っているのだ。 なぜか。 憲法9条が禁じているからだと防衛省はいうかも知れない。 しかしそれは嘘だ。 もしそうであれば、武器携行を認めろとか、駆けつけ警護のような 形で集団的自衛権行使を認めろ、などと防衛省が主張する事は矛盾して いる。 日本の自衛隊は海外での戦闘行為に巻き込まれ犠牲者を出すことは しないと言っているのだ。 憲法9条を改定して海外で戦闘行為が出来るようになって、犠牲者を 出すようなことになれば一番困るのは防衛省、自衛隊なのである。 憲法9条の改定がない事を望みながら、それでいて武器を携行して 駆け込み警護などをするという。 出来もしないし、やる気もないことを恰好をつけて言っているだけ である。 これが日本の自衛隊の最大の矛盾である。 私が繰り返し強調していることである。 憲法9条が自衛隊を守っているのである。 憲法9条がなくなれば防衛省はPKO派遣などと言わなくなる だろう。 憲法9条がなくなれば自衛隊志願者は激減するだろう。 日本の自衛隊はそれでいいと私は思っている。 専守防衛の自衛隊とはそういうことである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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