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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ロシア、中国のシリア非難安保理決議案否決を糾弾する      
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年2月6日104号 ■     =========================================================       ロシア、中国のシリア非難安保理決議案否決を糾弾する                                                                     ========================================================  シリア情勢が、ロシア、中国のシリア非難国連安保理決議案の 拒否により行き詰まっている。  その事についてどうしても書き残しておきたい。  私の頭の中では、国連安保理決議を拒否権によって阻止するのは 米国がイスラエルを擁護する時と相場が決まっている。  そして、それを私はいつも非難してきた。  しかし今回のロシア、中国によるシリア非難決議否決については、 私は米国に対する非難にも劣らない激しい怒りでこれを糾弾する。  ロシア、中国はやはり平和の敵だ。  人権軽視の非民主的な覇権国家である。  アラブ人民の民主化要求活動を支持すると公言した温家宝首相の 言葉はウソだったというのか。  私はシリアのアサド政権の邪悪性、凶暴性、そしてイランと米国・ イスラエルの双方との取引を繰り返すダブルスタンダードぶりを隣国 レバノンから目撃して知っている。  度し難い世襲、独裁国家だ。  そのシリアが反体制の国民を弾圧してとどまるところを知らない。  シリアの民主化なくして中東の春は終わらない。  さすがのアラブ諸国も一致してこれに反対している。  かつてリビアのカダフィ政権を欧米軍が安保理決議に基づいて 攻撃した時、私はそれを止むを得ないと承認した。  カダフィの弾圧を放置する事はリビア国民の虐殺を許すことに なるからだ。  その時、絶対平和主義の読者から、「いかなる場合でも軍事力 を行使することは許されない。それを認める天木さんを見損なった、 即刻見捨てる」、という抗議を受けた。  絶対平和主義は尊いし、人類の目指す目標ではある。  しかし、残念ながら国際政治の現実はまだそこまで到達して いない。  国連憲章7章42条の認める安保理決議による武力行使は戦後 の国際社会が認める平和確保の為の集団安全保障体制だ。  日本国憲法9条もまさしくその国連憲章を前提としてつくられた。  すなわち国連による平和の実現が不可能であるならば憲法9条を 守る事もできなくなるのだ。    改憲論者の改憲要求に反論できなくなるのだ。  この事を私は2011年3月19日、21日、22日のメルマガ 第190号、195号、196号で書いた。    今回のアサド政権の武力弾圧を阻止する安保理決議案もまさしく その最後の手段である。  幾度にわたる妥協を重ねてつくられた柔軟な決議案だ。  それさえもロシアと中国は拒否した。  それに変わる案を示すことなくアサド政権の人権弾圧を許そう とするのだ。  国連の手によってシリアの暴政を防ぐ事が出来なければ、国連の 平和維持能力は今度こそ無い事が証明される。  自国の国益を最優先して武力行使する国を止められない。  それはイラク攻撃に見せた米国の国際法違反を止められなか った時と同じだ。  ロシアも中国も米国を非難する資格はない。  もちろん米国もそんなロシアや中国を非難する資格はない。  一体この世界で誰が軍事大国の暴挙を非難できるのか。  その資格があるというのか。  それは本来ならば世界で唯一憲法9条を持つ日本であるはずだ。  しかし米国に追従してイラク攻撃に加担した日本にロシアや中国 を非難する資格はない。  日米同盟を最優先する日本が何を言っても説得力はない。  それを知っているからこそ日本はシリア問題に対してもまったく の沈黙を守り続けている。                            了   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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