□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月6日100号 ■ ========================================================= 野田首相の消費税増税強行が勝利するかもしれない理由 ======================================================== 意外な雑誌、週刊誌に、驚くほど貴重な記事を見つけることが ある。 発売中の週刊女性自身2月14日号がそれである。 女性週刊誌でありながら、そこには大手新聞の政治欄を思わせ るスクープ記事が掲載されていた。 題して「野田首相に消費税15%超を決意させた内閣府の秘 ペーパー」という記事である。 その要旨は次の如くだ。 ・・・野田民主党政権の消費税増税の方針は鳩山内閣の時に 端を発していた。 2010年5月上旬、鳩山首相、菅直人財務相、平野官房長官 が内閣府から配られた消費税増税のシミュレーション資料を読ん で言葉を失った。あらゆるシナリオでも日本の財政健全化がいか に困難であるかが書かれていたからだ。 その資料は現行の社会保障制度(医療・介護など)の維持を 前提とする限りたとえ消費税を15%まで引き上げても財政赤字 の膨張は止まらない事を示していた。 しかし鳩山元首相たちはそのデータを公表しなかった。消費税 増税はマニフェスト違反であるのみならず、3ヶ月後の8月には 参院選挙を控えていたからだ。 ところが菅財務大臣は首相になったとたん一転して消費税10% を打ち出した。10%では不十分であることを知っていたが、 さすがにそこまでの数字をすぐには打ち出せなかった。(そして 10%でも参院選で大敗した) それらを見てきたのに野田氏はそれでもなお消費税増税にこだ わった。自分の手で消費税増税を断行するとまで言い出した。 その理由は純粋に危機感からである。消費税を15%上げても なお赤字が増え続けるという試算を見た野田首相は、『自分は 無知だった。このままでは日本財政は破綻する』と周辺に漏らし たという。そして『増税をやり抜くしかない』と強い意欲を示し たという・・・ これが週刊女性の報じる野田首相の消費税断行の背景である。 それが真実であるかどうかはわからない。 しかし、この記事を読んで私が真っ先に思い出したのが昨年 12月26日のメルマガ第920号「NHKスペシャル永田町 ・権力の漂流の正しい見方」で書いた菅直人財務相(当時)の 次の言葉だ。 すなわち菅財務省は普天間問題で苦しんでいる鳩山首相に次 のように言ったという。 「消費税増税を言い出せばいい、そうすれば普天間問題など 吹っ飛ぶ」と。 鳩山首相はこの思いもよらない発言にあっけにとられたと いうのだ。 平仄が合う。私はこの女性自身のスクープ記事はおおむね 正しいと思っている。 いつものように前置きが長くなった。 ここからがこのメルマガで私が言いたい事である。 野田首相は誰かに操られているとか、何かの計算で消費税 増税を強行しようとしているのではなく、本心、それが日本の 為、国民の為と思って消費税増税を自分の手で断行しようとして いるのではないか。 正直者、善意の者が、深い知識も考察もなく、間違った思い 込みで突っ走ったら、これほど始末の悪い事はない。 野田首相はいずれその試算を国民の前に提示して、実は10% ではなく15%、いやそれ以上必要になる。そうなれば国は破綻 する。年金を払えなくなる。急増する高齢者の生活を保障する事は もちろん重要だけれど、その負担を若者や働き盛りの国民に押し 付けることは不公平だ。ましてや将来の世代にツケを回すことは 許されない。取りあえず10%をお認めいただきたい、」と言い 出すだろう。 見ているがいい。 その時はメディアも有識者もそれを支持するだろう。 すでに世論調査は野田はだめでも増税はやむなしという結果が 繰り返し報じられている。 問題はそのような野田首相の主張に正面から反論する有識者、 専門家がいないことだ。 予算を根本的に組み替えるとか、予算を使わなくても立派な 政策は行なえるという事を主張する者が現れないからだ。 いたとしても、現れたとしても、国民の大勢がそれを理解しな いことだ。 いたとしても、現れたとしても、そのような者が異端視されて 終わることだ。 私は野田首相は勝利するような気がしてきた。 総選挙が後回しにされればされるほど消費税増税やむなしの声 が定着してくるだろう。 たとえ野田首相が自らの手で消費税増税を出来なくても、その 後に続く政権や首相は言葉を変えて消費税増税を掲げるに違い ない。 そしてその時はもはや消費税増税が国民的合意となっている だろう。 野田首相の消費税増税う強行が勝利するかもしれないと私が 思う理由がそこにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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