□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月29日第78号 ■ ========================================================= ブレア元英国首相が語る小泉元首相のエピソード ======================================================== 日経新聞連載のブレア元英国首相の「私の履歴書」については このメルマガでも取り上げた。 ついにその連載第27回目(1月28日)に貴重なエピソードを 見つけた。 ブレア元首相が語る小泉元首相の評価だ。 その評価にまつわるとっておきのエピソードだ。 これは面白い。めったにお目にかかれないエピソードだ。 だから読者と共有したい。何かの時に話のネタにしていただきたい。 ブレア元首相の小泉元首相の評価は次の一言に要約されている。 「小泉は私が政治の世界で会ったなかでも最も興味深い人物の ひとりで、それまでに会ったどの日本人政治家とも違っていた。 とても快活で、並外れた個性の持ち主だった」 多分に外交辞令の面もあるが、これは褒めているのだろう。 しかし手放しで褒めているわけではない。 次のエピソードを読むと強烈な皮肉が込められていることがわかる。 舞台は2005年の英国がホスト国であったグレンイーグルに おけるG8サミット(主要国首脳会議)である。 そのサミットのエリザベス女王主催の晩さん会での事だという。 その数日前に仏のシラク大統領がホスト国英国の料理について不用意 な発言をしたと報道され、話題になっていたという。 そういえば確かそのような事が当時日本でも報道されていた記憶が ある。 すなわち、シラク大統領がプーチン・ロシア大統領やシュレーダー 独首相に「料理がとてもまずい国の人間は信用できない」という趣旨の 発言をしたと伝えられた。 もちろんシラク大統領自身はそんな発言をした覚えはないと否定した。 そこで問題のエピソードだ。 ブレア首相は「私の履歴書」のなかで、次のように首脳晩さん会の席 における小泉元首相の言動を紹介するのである。 「・・・晩さん会が始まり、コース料理の最初の一品を腹に入れた 小泉は、つかえつかえの英語で大声でシラクに言った。『ヘイ、 ジャック。素晴らしい英国料理だ。そう思わないかい?』笑いのどよめき が起こった。シラクは少し意地の悪い視線を小泉に向けたが、その悪 ふざけに加わらざるを得なかった。そしてエリザベス女王に向かって、 自分は報道されているような発言をしていないと釈明した・・・」 その場に居合わせた首脳の一人になったつもりでこの場面を想像して いただきたい。 私は小泉元首相のその時の気持ちがわかる。 とにかく何かをしゃべらなければその場に溶け込めない。 たどたどしい英語を駆使して何かをしゃべりだした小泉元首相の勇気 と行動力を評価する。 シラク大統領に語りかけるにはせめてフランス語で「ムシュー プレジダン」ぐらいは言ってほしかったけれど、対米従属だからブッシュ と話すようにヘイ、ジャックと呼びかければいいと思ったのだろう。 たしかに、口にしたジョークはシラクにとって傷口に塩を塗ったことに なるし、下手をすれば、ホスト国の英国に対するあてつけともとれるから あわやシラクと同じ間違いを犯す危険性のあるジョークだ。 しかし、とりあえず皆を笑わせたのだからたいしたものだ。 日本の首相が欧米の首脳を笑わせる、これは小泉元首相しか出来ない 芸当だ。 そこで止めとけばよかった。 問題はその後である。 ブレア首相は次のように続ける。 「・・・気をよくした小泉は、その後も料理を一口食べるごとに、その (ジョークの)素晴らしさをやかましくコメントした。最後にはシラクが 副官の銃をつかんで小泉を撃つのではないかとひやひやしたほどだ・・・」 悪乗り小泉の真骨頂である。 最初のジョークで皆を苦笑させた事に有頂天となり、ほかに気の利いた 話題もないので、何度も同じジョークを繰り返す。 それがどれほど相手を傷つけ、場を白けさせていることも気づかずに、 たどたどしい英語で自分ひとりでしゃべり続ける。 明らかにブレアはこの小泉首相の奇行をエリザベス女王の前でハラハラ して見ていたに違いない。 しかし私はある意味で小泉首相を評価する。こんな行動力のある首相は 後にも先にも出てこないのではないか。 問題は小泉首相の5年半の間、彼は日本国民にとって何もいいことを しなかった事だ。 自分ひとり悦に入って、プレスリーの真似までして辞めて行った事で ある。 そのつけに今皆が苦しんでいる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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