□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月20日第51号 ■ ========================================================= このあたりで自衛隊の国際貢献業務を根本的に見直す時だ ========================================================== 財政再建と自衛隊の国際貢献業務の見直し。 この一見何でもない二つの事柄が、実は密接な関係にあると知って いる国民はどれだけいるだろうか。 1月20日の新聞が、一段の見出しの小さな記事で次のように報じて いた。 すなわち野田内閣がゴラン高原とハイチへの国連平和維持活動(PKO) の自衛隊派遣を延長する方針を決めたと。 田中直紀防衛大臣の初仕事は、自らの失言とそれに対する言い訳だった が、実質的に彼の政策決定の第一号は、おそらくこの自衛隊の派遣延長 ではないか。 そして、これこそが、これから田中直紀防衛大臣が防衛官僚の言われる ままに何の意見もなく従っていく我が国のでたらめ防衛政策の始まりと なるに違いない。 ゴラン高原におけるシリアとイスラエルの兵力引き離し国連決議が成立 したのは第4次中東戦争の直後の1974年だった。 およそ関心のなかった日本の自衛隊が、その国連平和維持活動に参加 するようになったのはそれから20年以上もたった1996年だった。 すでにゴラン高原でシリアとイスラエルが軍事衝突することなどは とっくになくなっていた。 当時にわかに沸き起こった自衛隊の国際貢献活動の国策に沿って、 安全なところを探した結果だ。 いまのゴラン高原はもっと安全だ。 世界でもっとも安全な国連平和維持軍の活動場所だと揶揄されている。 ハイチについては記憶にあたらしい。 2010年1月の大地震の救済、補修作業のために派遣された。 現状はどうなっているかといえば、ハイチ政府の復旧作業の遅れがいま だに被災民を苦しめている。 ついにその住民の怒りが爆発し、国連軍など出ていけとデモを起こして いたニュースが日本のテレビで流されていた。 要するに意味のない自衛隊派遣を、国際貢献の名の下に続けているのだ。 いったん派遣してしまえば自衛隊の利権と化して派遣続が続けられて いるのだ。 ゴラン高原への自衛隊派遣などは、もはや誰も関心なく、まともな議論 や検証なく、三十回ほど自動延長されてきた。 自衛隊員が国際経験を積む格好の実習の場となっているのだ。あの髭の 佐藤隊長も確かイラクの前はここに派遣されていた。 田中直紀防衛相は南スーダンへの自衛隊派遣についてこう答えていた。 派遣先は内乱の起きている場所からは遠いので問題ないと。 語るに落ちるとはこのことだ。 南スーダンの国づくりに貢献するという言葉自体がとんでもない傲慢な 発言であるが、その実態はそんな立派なものではない。 南スーダンの紛争には一切かかわらず、安全なところを選らんで道路 補修などに専念する。 それが自衛隊の本業なのだろうか。 断じてそうではない。 おそらくこの南スーダンPKOも、やがて自衛隊の国際貢献活動の演習 の場と化して再延長が繰り返されることになるだろう。 このような予算の無駄遣いは行政刷新会議の議論にはならない。 増税の前に見直すべきは政治改革、公務員改革ばかりではない。 政策そのものに大きな無駄、矛盾があるのだ。 それを見直すのが「本来の無駄をなくす」である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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