□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月20日第50号 ■ ========================================================= 政府・行政の不作為の罪の大きさ ========================================================== 政府、官僚によるいわゆる権力犯罪には、積極的な悪政の罪と、 なすべきことをしない、出来ない、という不作為の罪がある。 実はこの不作為の罪こそ至る所で行われている権力犯罪の大部分 であると私は思っている。 そしてそれは見えないだけにより深刻だ。 最近では、新築マンションに高放射線量が見つかった問題がある。 この問題はよく考えると、(よく考えなくても)、実は極めて深刻 な問題なのである。 打つ手がないのである。 政府、官僚が原発事故の被爆対策として、唯一と言っていいほど 熱心に行っている(行っている振りをしている)のが「除染」である。 膨大な予算と労力をかけて長期的にわたって行われようとしている。 ところがその限界が被爆汚染マンションの露見で見事に白日の下に さらされたのだ。 「すぐに転居するわけにもいかない。除染できないものか」 これは1月16日の朝日新聞に書かれていたマンション住民の一人 が絶句した時の言葉である。 答えは、もちろん「出来ない」である。 政府が騒いでいる除染とは、単に土を削り取って他の場所に移す 作業でしかない。 だからコンクリートの中に入った放射線を除去する事はできない。 放射線量は自然に消える、なくなるものではない。 どうすればいいのか。 答えは二つに一つしかない。 その高放射線量が、「ただちに問題となる数値ではない」と強弁 して危険数値基準のハードルを上げ、そこに住み続けても大丈夫、と 宣言して自己責任で住めと突き放すか、ほかの場所に移り住まわせるか、 どちらかである。 まさか安全だからそこに住み続けろと政府、官僚が住民に言える はずはない。 だから「現在、子どもがいる世帯については、市と協力しながら移転先 の物件を探している」(マンションを建てた二本松市の建設会社専務) ということになる(1月16日朝日新聞)。 その朝日新聞の記事には国の責任や関与が何も語られていない。 しかし、そもそも被爆対策は、地方行政や業者だけでできるものでは ない。 彼らの責任で終わらせて済むこのではない。 そもそも、なぜこんなことが起きたのか。 経済産業省によればこうだという。 「コンクリートの材料のうちセメントについては、国が昨年6月に 放射性物質に関する基準を作った。セメントの原材料である下水汚泥 から高濃度のセシウムが検出されたためだ。(しかし)石と砂利に ついては基準がない。砕石の際、ふるいにかけて水をかけるのが一般的 で濃縮されることは考えにくいと思った」という(同上朝日新聞)。 この事自体が行政、官僚の不作為の罪であるが、マンション除染に ついて行政や官僚が有効な解決策を講じようとしている気配はまるでない。 なんの責任もないマンション住民の救済について、政府や官僚が真剣に 動こうとはしない。 メディアはそれを追及して国民に知らせようとしない。 もはやマンション被爆の問題はメディアで取り上げられることはない。 泣き寝入りさせられるのはいつも弱者である一般市民だ。 これこそが不作為の罪である。 そして不作為の罪はこれだけではない。 気づかないままに至るところで放置されている。 不作為の罪の大きさがここにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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