□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月18日第45号 ■ ========================================================= JICA理事長交代の人事記事に注目する ========================================================== きょう(1月18日)の各紙が小さく報じていた。 緒方貞子国際協力機構(JICA)理事長が任期満了の2015年 9月末を待つことなく今年3月に退任し、その後任に東大副学長で国際 政治学者の田中明彦氏を起用することが決まった、と。 この何でもない記事に私は注目した。 緒方貞子氏がJICAの理事長になったのは2003年10月で あった。 国際協力事業団は外務省の数少ない利権、天下り組織であり、その 理事長職は外務省有力OBの天下りで占められてきた。 その批判をかわすため2003年にJICAが独立法人となった タイミングで国連難民高等弁務官で名をはせた緒方貞子氏を看板にして 世間の目をくらまし、外務省はJICAの予算・権限を拡大し、副理事長 以下多数の天下りポストを維持して、将来の復権を狙ってきた。 その緒方貞子氏が3期目として再任されたのは昨年の10月であった。 もはや84歳の高齢にもかかわらず再任されたことは当時意外をもって 受け止められたが、その緒方氏は新聞のインタビューの中で、任期4年を まっとうするつもりはさらさらなく、後任者が決まるまでの中継ぎだと 内情を図らずもばらしたことがあった。 当時の報道の中には、その後任は、副理事長として天下っている外務省 OBの大島賢三氏(元経済経済協力局長、国連大使)であることが予定 調和で決まっていると書くものもあった。 それを読んだとき、私はなるほど大いにありうることだ、と思った ものだ。 そしてきょう1月18日の記事である。 昨年の10月に再任されたばかりの緒方氏が、半年で交代することが、 再任早々わずか3か月あまりで明らかになった。 文字通り時間稼ぎの第3期目の再任であったわけだ。 そしてその後任は外務省OBではなく御用学者、しかも経済協力とは 無関係の国際政治学者だという。 これには私も驚いた。 田中明彦氏は、米国のイラク攻撃をいち早く支持した対米従属学者だ。 これで我が国の経済協力がますます政治的、安全保障的な目的で使われ ていく事になるだろう。 この人事で外務省の最大の利権組織であるJICAの理事長のポストが さらに外務官僚から遠ざかる事になる。 おまけに、新聞記事には書かれていないが、JICAのHPによれば 外務省OBの指定席となっていた副理事長のポストが公募されることに なったとある。 この一連の動きの背景に何があったのか。 この人事を最終的に決めた者は誰なのか。 玄葉外相は外務省の利権を守らなかったのか。守ろうとしたが守れ なかったのか。 外務省はこの屈辱的な人事をどう思って受け止めているのか。 間違いなく外務省のJICAに対する影響力は失われることになる。 外務省はさらに地盤沈下していく事になる。 いずれ何らかの記事がそれらの疑問に答えてくれる事を私は期待する。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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