□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月10日第26号 ■ ========================================================= 隠された巨大利権集団―防衛省と防衛産業の癒着 ========================================================== 防衛省と自衛隊を取材して国民に正しい情報を提供してくれる ジャーナリストと言えば、この人の右に出る者はいない。 いつもそう形容して私が紹介するのが東京新聞の半田滋編集委員 である。 半田氏はもちろん防衛政策の専門家である。 しかし同時に防衛省や自衛隊の組織論を語ることでも誰よりも 内情に精通している専門家である。 防衛省詰めの記者として長年取材をしてきた実績だ。 その半田滋編集委員が1月9日野東京新聞「私設 論説室から」 というコラムで、防衛官僚と制服組にとって最も書かれたくない 都合の悪い事を書いた。 それは防衛官僚や制服組みの隠された防衛産業との癒着の実態で ある。 これは知る人は皆しっているが一般国民はほとんど気づかない。 だからこの記事は大きな意味を持つのだ。 防衛官僚と制服組は半田氏にとっては最大の情報源である。 長年の取材活動を通じて貸し借り関係もあるだろう。 今後の事もある。 だから彼らを批判する記事を書くことにはためらいがあるだろう。 しかし1月9日の記事は、防衛官僚と制服組との関係を決定的に 悪くするおそれがあるほど防衛省にとっては都合の悪い記事だ。 それでも半田氏は敢て書いた。 書かざるを得ないほど見過ごせない実態だという事である。 何としてでも国民に知らせなければならない実態であると半田氏 は判断したのだろう。 我々は半田氏の、いわば捨て身の告発記事を、正面から受け止め てそれを政権批判に活用しなければならないと思う。 以下その記事を要約して紹介したい。 「・・・正月三が日が終わり、防衛省に防衛産業の社員が押しかけ ている。背広組の局長室や陸海空幕僚監部の幹部室を回り、新年の あいさつを交わす。 その水先案内人をつとめるのが再就職した背広組幹部や元将官で ある。先輩が顔を出せば後輩が門前払いできるはずはない。仕事らし い仕事もないのに現役当時とくらべ7割程度の年収を保障されている 彼らの数少ない公式行事の一つだ。 防衛省が毎年1兆円近い武器調達費を支払っている企業上位20社 に過去10年で300人以上の将官ら幹部が顧問や嘱託として再就職 している。防衛省と防衛産業の癒着は明らかだ。調達費に天下り幹部 の報酬が含まれてはいないか。 民主党政権は天下り斡旋を禁止したはずだが2010年、防衛省 だけで529人が防衛産業に再就職した。官僚の軍門に下った野田 政権の指示など『どこ吹く風』といわんばかりだ。 年の瀬に野田内閣は武器輸出三原則を緩和し、米国や友好国との 武器共同開発・生産に踏み出した。防衛産業からの支持と引き換えに 『平和国家』の看板を降ろすというのか。 この国の主役は官僚であり、産業界であることは明らかだろう」 半田氏はあえて書いていないが、次期戦闘機導入をめぐる不透明な 決定の背後にも、もちろん利権がある。 この半田氏の告発は、増税で国民の暮らしが追い込まれている時に、 皆が必死になって職を探している時に、国防予算を食い物にして 天下りや利権をほしいままにする防衛官僚、幕僚たちを許していいのか、 という意味も込められているに違いない。 本来はこのような実態を国民の前に明らかにすべき責任を担うのは 護憲政治家であるはずだ。 国会で野田政権に問いただすのは護憲政党の政治家であるはずだ。 その護憲政党、政治家が風前の灯のように弱くなってしまったいま こそメディアがその代りを果たすべきにも関わらず、メディアもまた 機密費をつかまされているのか、政府から与えられる情報欲しさなのか、 政府を監視するという使命をまったく果たさなくなってしまった。 そんな中で半田滋編集委員がひとり健闘している。 半田氏だけに厳しい仕事を任せてはいけない。 半田氏を孤立させてはいけない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加