□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月18日第900号 ■ =========================================================== 対米経済外交に見る中国と日本の彼我の違い ========================================================== 12月16日の朝日新聞が書いていた。 中国政府は15日、米国産の自動車が米国政府から補助金をもらって 中国市場で不当に安く売られているとして、反ダンピング(不当廉売) 関税と反補助金関税をかけた、と。 さらにまた中国は、米国の再生可能エネルギー産業向けの補助金や 育成策が世界貿易機構(WTO)の協定違反の疑いがあるとして調べ 始めているという。 これに対し米国はもちろん不快感と警戒感を示している。 しかし、不快感や警戒感以上にむしろ波紋が広がっているという。 中国がWTOのルールに従って対抗措置や訴訟に訴える限り、それは 中国の権利であり、その裁定はWTOにゆだねるほかはない。 米中貿易摩擦に発展しても米国が正しいとならないこともある。 だから当惑するのだ。それ以上中国を攻撃できないのだ。 ひるがえって日本はどうだ。 WTOを捨ててTPPに走ろうとしている。 そしてそのTPPの参加交渉が始まる前から、米国は米国産自動車の 市場開放を日本に求めてきている。 このような米国の要求は根拠がないばかりか、一方的な米国産業の 利益追及策だ。 日本が正当な反論をしない、出来ない事を見抜いた上で、TPPカード を振りかざして行われる米国の対日攻勢は理不尽を極めている。 「日本はあの手この手で外国企業を締め出すことで悪名が高い」 そういって、農業だけでなく、あらゆる分野の市場開放を約束しない 限り、TPP交渉への参加に同意すべきではない(マクダーモット議員 (民主)の下院歳入委員会貿易小委員会の公聴会発言 12月16日 産経新聞)、などと言いたい放題だ。 そんなTPPなら参加する必要はない。 日本はあくまでもグローバルな自由貿易体制を目指すWTOを通じて 市場開放努力を行ってきた国である。 そういって米国を牽制すべきであり、それができるはずなのに、そう しない。 私はここに中国と日本の対米経済外交の違いを見る。 中国と言う国は、不法漁船を放置し、これを取り締まろうとした韓国 海洋警察員刺殺事件にも謝罪をしないような理不尽な国家であるが、 少なくとも国益や自国民を守ることにおいては徹底している。 ここが日本と違うところだ。 自国民を黙らせても米国との関係を損なわないようにする。それで いて米国からさらなる要求を突きつけられる。 米国が中国にここまで要求してくることはない。 米国は言いなりにならない中国に、不快感を示すことはあってもそれ 以上の圧力をかけようとはしない。 これこそが対等な二国間関係である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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