□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月14日第800号 ■ ============================================================= 「巨人軍のお家騒動」を歓迎する ============================================================= 清武英利巨人軍代表が、球団人事の介入を理由に渡辺恒雄巨人軍会長 を糾弾した。 これは近年まれに見る反逆だ。下克上だ。 スポーツ界の話とか、会社内でのお家騒動の話などに矮小化するべき ではなく、一大政治事件ととらえるべきだ。 清武氏の行動にはもちろん賛否両輪がある。 様々な評者が様々な観点から意見を述べる。 コンプライアンスの問題とか、野球界の事とか、会社組織の上下関係 のこととか、論点はたくさんある。 しかし、そのような議論を一切脇に置いて、私がこの謀反劇を歓迎 するのはただ一点、この事件をきっかけに渡辺氏の影響力が急速に 失墜していくに違いないと考えるからだ。 いうまでもなく渡辺氏は中曽根元首相などと懇意にして日本の政治に 大きな影響力を与えてきた人物だ。 読売グループというメディアを使って政治に影響力を及ぼす渡辺氏は 間違っている。 新聞記者出身の一私人が公然と政治に介入するのは驕りの極みだ。 そんな渡辺氏の権力をおそれ、彼をここまで増長させた周囲の者たち の責任は重大だ。 その渡辺氏が、まさかの身内の謀反にあってうろたえている。 その怒りと狼狽振りは、反論文のなかに見事にあらわれている。 彼は一蹴できなかったのだ。何も言わずに清武の首を切れなかった のだ。 私はここに渡辺氏のたそがれを見る。 おそらく今度の造反劇を境に、渡辺氏の影響力は急速に失せていく だろう。 それは日本の政治や日本国民にとって歓迎さるべきことである。 メディアが権力と結びつくことは許されない。 それを公然と自認し、権力を動かせると勘違いしてきた渡辺氏。 その渡辺氏に正面から反旗を翻し、渡辺氏を怒らせ、寿命を縮めた 清武氏は、その事だけで評価する。 その裏にどのような事情があるにせよ、清武氏という人物がどの ような人物であろうとも、私は清武氏の謀反を歓迎し、評価したい。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)