□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月27日第754号 ■ ============================================================= 野田政権は官僚支配だと書いた東京新聞 ============================================================= 調査報道というものがこの国の大手新聞から消え失せた中で、東京 (中日)新聞の「こちら特報部」は唯一と言っていい本格的な調査報道 である。 しかも毎日秀逸な調査報道を掲載し続けている。 10月27日のそれは、国土交通省の現役幹部による官僚OBの天下 りあっせん疑惑を報じている。 すなわち野田政権が発足した後に事務次官に昇格した国土交通省の 宿利正史氏が、次官昇格前の審議官時代に、同省所管の社団法人「日本 民営鉄道協会」の役員人事に介入して天下りをさせた疑惑について、 26日の衆院内閣委員会で決定的な証拠が出た、という記事だ。 もし疑惑が晴れなければ、宿利事務次官の進退問題にとどまらず、 政権全体を揺るがしかねない、とまで書いている。 この問題の深刻性について、私ははじめて今日の東京新聞の「こちら 特報部」で知った。 しかし、私がこのメルマガで言いたいのは、その事だけではない。 「こちら特報部」の注目すべき箇所は、その記事の結論部分を述べる いる「デスクメモ」の部分である。 今日の「こちら特報部」のデスクメモにはこう書かれている。 「国会審議は今やネットで生中継されている。26日も(衆院内閣 委員会の模様が放映され)答弁書を棒読みする政務官の情けない姿が 映し出された。つくづく野田政権は官僚支配だと思う。天下りや渡りは 野放しで、実態調査には及び腰。政治家と官僚が庶民感覚で自分たちの 身を削れば、増税なしでも復興財源はわき出てきそうだ」 東京新聞が野田政権に「ノー」を突きつけたということだ。 どんなに贔屓目に野田政権を見ているほかの大手新聞といえども、 このような評価を早晩下さざるを得なくなるだろう。 そうすれば野田政権は急速に不安定になっていく。 その場合、今日の東京新聞「こちら特報部」のデスクメモこそ、 その口火を切った大手メディアの記事として想起されるに違いない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)