□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月22日発行 第444号 ■ =============================================================== 菅首相は、日米同盟を永久化させてしまった =============================================================== 菅首相の退陣劇の茶番が新聞の全面に踊っている丁度その時、おなじく 各紙が一斉に取り上げたのが2プラス2の合意であった。 これは象徴的だ。 私は昨日6月21日のメルマガ第442号で、読売新聞の事前の推測記事に 基づいて2プラス2協議の結果について解説した。 一夜明けてその結果を各紙が大きく報じている。 そこに掲げられている共同声明文書を読んで目もくらむような絶望感を覚えた。 これは対米従属日米同盟の固定化である。 米国によるわが国の安全保障政策の占領が完成したのである。 それを二つの例を引用して証明する。 一つは、この長ったらしく包括的な共同声明は、官僚同士の作業の積み重ねで 出来たものであり、誰もその実態がわからない仕組みになっているということ である。 菅首相はもちろん、米国の手先に成り下がっているような一部の政治家を除いて、 その意味を理解できる政治家など一人もいない。 たとえば6月22日の朝日新聞はこう書いている。 「・・・来年後半に普天間に配備される予定の米海兵隊の新型輸送機オスプレイ という新たな火種も加わった。共同文書で、(普天間)代替施設の滑走路について 『均一の荷重支持能力を備えて』と書いたのは、滑走路の強度を十分にするという 意味。オスプレイの配備を前提にした文言だ・・・」 さらにまた朝日は書いている。 「・・・共同発表には、在沖縄米海兵隊のグアム移転について『着実に実施する ために必要な資金を確保する』との表現も盛り込まれた・・・」 これは米政府が議会と予算交渉をするための材料であり、たとえ米議会が十分な 予算を講じなくても、グアム移転を日本が希望するならその肩代わりを日本が最終 的に行なうことを約束したということだ。 今度の日米合意はとんでもない内容なのだ。それをメディアは国民に教えない。 もう一つ、メディアが国民を惑わしていることがある。 それは、今度の合意が「日米同盟は砂上の楼閣」のごときものであるといわん ばかりの報道が目立つことだ。 だからはやく本格的な保守政権を確立し、日米同盟を立て直さなければならない、 といわんばかりである。 たしかに表面的にはそうだ。死に体の菅政権の閣僚と、まもなく交代するゲーツ 国防長官との間の合意などカラ約束同然だ。 ところが実態はその逆なのである。 ここで合意された内容は将来の日米政府を拘束する。つまりブッシュ大統領の 朋友であったシーファー前米国駐日大使が辞任の前に繰り返し述べていた、日米 同盟の「制度化」が完成したということだ。 だからこそ米国は死に体菅内閣が急いだ2プラス2にも付き合い、合意に 応じたのである。 おりから、それを言い出した一人のアーミテージ元国務副長官が経団連の招き で訪日中である。 そしてそのアーミテージ氏が21日官邸に枝野官房長官を訪れている。 どんなに官邸が菅首相辞任で大騒ぎしていてもアーミテージ氏だけは受け 入れる。 そしてその後の記者会見で枝野官房長官は次のようにゴマを擦った。 「厳しい時に最も頼りになる同盟国がアメリカだと改めて認識した」、と。 しかしアーミテージは釘をさすことを忘れなかった。 「(自衛隊は災害復旧活動で)素晴らしい仕事をした。ただ、あくまで自衛隊の 一義的な役割は防衛だ」 菅首相の最大の罪は、日米同盟を永久化してしまったことである。 了

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