□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月5日発行 第390号 ■ =============================================================== このまま日本は沈没するのではないかという漠然たる不安 =============================================================== メディアは政局報道にかまけていないで、目の前の深刻な日本の 危機を正直に報道し、その解決を政府に求めるべきだ。 今後如何なる政権が出来ようとも、政府は国民にすべてを正直に 話して国民とともにその困難に立ち向かうべきだ。 日本は大丈夫か。このまま沈没しないか。 日本を沈没させかねない深刻な問題とは、一つは放射能汚染である。 それは「風評被害」という非科学的な言葉ではもはやごまかすこと が出来ないほど広がっているのではないか。 東京電力の社員二人が上限を超えた内部被曝をしていたことが報じ られた。 おそらく事故対応にあたってきた派遣社員を含めれば多くの国民が 対外、体内被曝を続けているに違いない。 非人道的なことが福島で行なわれている。そういう話を、私が住ん でいる福島隣接の栃木県の関係者を通じて耳にする。 これは大変なことではないのか。 6月5日の東京新聞「こちら特報部」は、政府の発表遅れやデータ 隠し、さらには詐欺的な「健康影響なし」から身を守るために、被曝 数値を独自に調査して対応し始めたと報じている。その結果不安が募 る一方だという。 これは深刻なことではないのか。 そう思っていたら5月29日の朝日新聞が日本経済は巨額な国家賠償 で崩壊する危険性が出てきたとスクープ報道した。 原発賠償といえば、東電が被災民にどれだけ賠償するか、その負担額 を政府がどこまで補填するか、そのために増税不可避だ、などばかりが 論じられる。 しかしもっと巨額な国際賠償問題が生ずる恐れがあるというのだ。 すなわち、国境を越えた原発損害賠償訴訟に対応するための国際条約 が出来ているというのに日本はそれに加盟していないという。 だから、外国から提訴されれば日本国内で裁判をすることができず、 原告側の国の裁判に委ねざるをえないという。 その結果、たとえば米国人に訴えられた場合、米国の裁判でそれに 応じざるを得ず、当然ながらその賠償額は巨額になるという。 それにおそれて政府はあわてて条約に加盟する検討を始めたというが、 加盟には国内法の整備が必要な上、事故が発生してからあわてて加盟を 急ぐようでは他の加盟国の反発必至だという。 なぜ欧米の原発保有国はみなこぞって加盟しているというのに日本は これまで加盟しなかったのか。 それは「安全神話」を硬く信じて、そのような事態は起こらないだろう と判断していたからだという。 他国の原発事故で日本人が被害を受けた場合には、その日本人は他国 で裁判を受けなければならなくなる、それをおそれたからだという。 理由にならない理由だ。単なる行政の怠慢だ。 これほどの大問題であるにもかかわらず、5月29日の朝日のスクー プ記事以降、この問題を取り上げた新聞やテレビは無い。 国民はこのような国際賠償の深刻な問題を何も知らない。 政局報道にうつつを抜かしているうちに日本はとんでもないことに なりそうなのである。 了

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