□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年7月21日発行 第26号 ■ =============================================================== メディアが書き始めた「菅政権に追放された改革官僚」 ================================================================ 私は7月11日配信のメルマガ「挫折した民主党政権の公務員改革」において、 菅民主党政権から追放された通産官僚の事を書いた。 すなわち、仙谷由人行政刷新担当大臣の補佐官への抜擢まで内定していた ほどの改革派官僚である古賀茂明氏(昭和55年通産省入省)が、官僚組織の 強い抵抗にあって55歳で勧奨退職させられていたというのだ。 この人事についてはインターネット上ではつとに飛び交っていた。 ところがここに来てついに新聞や週刊誌が書き始めるようになった。 7月20日の朝日新聞がつぎのように取り上げた。 「経済産業省のキャリア官僚の処遇が波紋を広げている。50代官僚が 今月、同省からの民間企業への出向打診を断った際、拒否しても省内に残せ ないと告げられた事が判明した。改革派とされるこの官僚の追い出しを図った のではないかとの観測が省内で出ている・・・」、と。 そして20日発売の週刊朝日7月30日号と週刊ポスト7月30日号が、 それぞれ「ついに出た!霞が関『生首切り』第一号はなぜか改革派の旗頭 だった」、「菅内閣は霞ヶ関守旧派の走狗と化した」、という見出しの下に、 その経緯を明らかにしている。 それらの詳細をここで紹介する余裕はないが、私が最も注目したのは、 古賀氏が公務員制度改革の柱として「事務次官の廃止」を提案していた という事だった。 これは私がつとに書いてきた事だ。これこそが公務員改革の切り札だ。 公務員改革などは複雑な事をする必要はまったくない。事務次官職の廃止、 これ一つを実現すれば、鉄の官僚組織はたちどころに崩壊する。 政治主導の枠組みが決められる。 どのような政治家が大臣になっても官僚組織は政治主導に服することになる。 それを古賀氏はやろうとしていたのだ。官僚であった私はその事の凄さが 誰よりもわかる。 だからこそ官僚の猛反発にあったのだ。仙谷大臣に迫って古賀氏の辞職を 求めたのだ。 古賀氏は擁護されるべきであった。その古賀氏を勧奨退職に追い込んだ 仙谷大臣はとんだ食わせ物だ。 それを認めた菅首相は、いまさらながら、度し難い変節漢だ。 なんとしても菅民主党政権の化けの皮をはがさなければいけない。 次官ポスト廃止を要求しているのは渡辺喜美代表率いる「みんなの党」だ。 渡辺喜美の背後には元通産官僚の江田憲司が副代表で控えている。 江田憲司は古賀茂明の一年先輩だ。東大、通産省入省も同じだ。 江田憲司が本物の公務員改革者であれば、三顧の礼を尽くして古賀氏を みんなの党に迎えなければならない。そして古賀氏の行なおうとする公務員 改革を実現しなければならない。 渡辺喜美も江田憲司もわかっているに違いない。みんなの党から公務員改革 を除けば、何もなくなる事を。裏切ればたちどころに支持者は離れていくという 事を。 おもしろくなってきた。 古賀氏の勧奨退職は、はからずも「みんなの党」の真贋を占うことになった。 了 ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com へ直接ご連絡願います≫ お知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの 特別参加を得て以下の通り行ないます。 当日のプログラムは以下の通りです。 13:35-14:00 天木直人「出版の意図を語る」 14:05-14:45 森田実 「特別講演」 休憩 15:00-16:00 天木直人・森田実対談(司会天木) 16:00-16:00 聴衆との応答(司会天木) 日時 8月8日(日) 午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール 港区赤坂4-18-13 地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分 大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅 4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp ユー12ユー9エルオー6) 講演会の概要については次のURLを参考にして下さい。 http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20100702
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)