□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年12月30日発行 第519号 ■ ────────────────────────────── 米国の日本に対する見方が確かに変わりつつある ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 月刊情報誌「選択」の新年号の巻頭インタビューに、エズラ・ヴォーゲルハーバード大学 名誉教授の衝撃的な言葉を見つけたのでぜひともメルマガの読者に紹介したいと思って書いている。 エズラ・ヴォーゲル氏が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本を書いたのは1979年と いうから、もう30年ほど前の事だ。 思えばあの頃の日本は確かに自信があった。 その日本の自尊心をたくみについたこの本はベストセラーとなった。 しかし、そのエズラ・ヴォーゲル氏が、2009年の終わりに、ものの見事に日本を突き放している。 それはしかし、決して彼のせいではない。 日本の現実がそうなのだ。日本の官僚支配と政治の貧困が日本をここまで閉塞させてしまった。 ヴォーゲル氏は、「対等な日米関係」などは所詮無理だと、次のように語っている。 「・・・米国の軍事力は世界最強だし、核兵器を持っている。さらに、日米安保条約では、米国は 日本を保護するが、日本が米国を保護する責任はない・・・(もっとも)日本の政治家が『対等な関係に なりたい』と言っていることには誰も反対などしないがね・・・」 これほど日本を軽んじた言葉はない。 しかし、これが日米関係の現実なのだ。 私がかねてから言い続けていることだ。軍事同盟を前提とする限り対等な日米関係などありえない。 私がもっと驚いたのは、日本は中国くらべ米国にとってもはや重要ではない、と次のように語って いる事だ。 「・・・中国は(経済力でも軍事力でも)強くなっている。米国が同盟、友好国の日本よりも、中国と 話さなくてはならないケースは避けられない。中国はその際、諸問題を日本より迅速に処理している。 そして一度合意した事項については(日本より)早急に実現する。この点を日本は見習うべきだろう・・・」 これはもちろん普天間基地移設問題の迷走に対する米国のあからさまな不快感の表明である。 しかし、その事を割り引いても、ヴォーゲル氏の言葉は今の米国の本音である。 そして鳩山首相に対する次の評価は驚くほど厳しい。外交的に言えば無礼ですらある。 「・・・鳩山首相は、人柄はいいようだが、世界に通用する政治家としてはまだまだ未成熟・・・ 国際社会ではまだ『丁稚奉公』の最中だ・・・」 もちろんヴォーゲル氏は、「日本は米国にとって同盟国、友好国である」というリップサービスは忘れない。 しかし、ジャパンハンドラーの草分けの一人であるヴォーゲル氏が、ここまで日本を軽視する発言をした事を 私は知らない。 米国も余裕が無くなってきた証拠だ。 どうやら米国が日本を見放す時が近づきつつあるような気がする。 しかし悲しむ事はない。 ピンチはチャンスだ。いまこそ日本は対米依存から目を覚まし、自立すべき時である、と気づく時である。 ______________________ 天木直人のメールマガジン 2009年12月30日発行 第519号

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