■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月26日発行 第466号 ■ ────────────────────────────── 麻生政権下の「小型核保有」工作 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ すこし遅くなったが、どうしても書きとどめておかなければならないスクープがあった。 11月24日の東京新聞が、麻生政権下の日本政府が米国のオバマ政権に対し、米国の「核の傘」 の信頼が損なわれないよう、再三にわたって働きかけていたという記事を掲載していた。 同じ日の栃木県地方紙(下野新聞)もこの事を掲載していたから、これは通信社、おそらく共同の スクープなのだろう。 年末恒例の「本年の大賞」流に言えば、私はこのスクープを、数々の候補の中から、09年の スクープ大賞に推す。それほど私にとっては大きな意味を持つスクープだ。 それにも関らず、東京新聞以外の大手新聞はまったく黙殺している。 翌11月25日の、これもまた東京新聞が、本件について岡田外相が、「私なりに把握したい」と記者会見で 述べた事を一段の小さな記事で報じている。そしてこれもまたその他の新聞は報じていない。 「私なりに把握したい」どころの話ではない。核密約の調査にも劣らない深刻な外交工作である。 鳩山政権としては、核密約の問題と同様にこれを公式に検証し、その結果を国民に公表しなければならない。 政権交代とはそういう事だ。 官房機密費の公表問題についても同じ事が言えるのだが、その公表によって傷がつく政治家が出てくるから といって、政治家同士の馴れあいで、国民に不都合を隠ぺいすることは許されない。 政権交代を選んだ国民との信頼関係こそ、鳩山民主党政権が最優先しなければならないことなのだ。 鳩山民主党政権が恐れる事は、米国でも自民党の逆襲でも、官僚の抵抗でもない。 国民に見放されることだ。国民を恐れよ。 なぜ私がこのスクープを重大視するのか。 それはまず、そのスクープ源が日本サイドではないということだ。 米議会が設置した核戦略検討のための「戦略態勢委員会」。その委員関係者からの情報である という。信憑性は格段に高い。 次に重要な事は、このような工作が、オバマ大統領のプラハ演説のはるか前から、何度となく 行われていたという事実である。 思い出して欲しい。 4月6日に行われたオバマ大統領の「核廃絶」演説が歴史的だと皆が騒いでいた時、麻生首相は、 遅ればせに、しかも事もあろうに核武装論者の安倍元首相に託するかたちで、核廃絶演説を歓迎する 親書を出した、と報じられた。 それだけでも十分に不自然だったのに、一部報道が、その親書の主眼は核廃絶を歓迎するというよりも、 核の傘の信頼を減ずることのないように頼み込む事に重点が置かれていた、と報じた。 それが見事に証明されたということだ。 さらにまた、今回の米側証言で、「低爆発力の貫通型核開発が核の傘の信頼を高める」、などと、 ここまで具体的に、あらたな核兵器開発を進めるように日本側が働きかけていたと言う事実である。 なぜこの麻生政権下の対米工作が深刻なのか。 それは官僚と麻生政権が、日本の国民を欺いていたからだ。 確かに国民の間では「核の傘」や「核保有」についてのコンセンサスはない。 しかし少なくとも多くの国民は唯一の被爆国である日本は世界に率先して核廃絶を呼び掛けて 行くべきだと考えている。 歴代の首相もまた建前ではその立場を表明してきた。非核三原則もいまのところ堅持されている。 外務省の外交も核軍縮や核不拡散をめぐる国際会議で一貫して核廃絶、不拡散を訴えて来た。 今回明るみになった「小型核保有」を慫慂する工作が事実であるとすれば、麻生政権と外務官僚は、 これらすべての、わが国歴代政権の方針や国民の大方の了解を破った工作をしていた事になるのだ。 これが深刻な国民への背信行為と言わずしてなんと言えばいいのか。 このスクープを敢えて大きなスキャンダルに発展しないように抑え込む大手メディア。 それが明るみになってもなお私的な関心事にとどめようとする岡田外相。 問題の深刻性をよく考えたほうがいい。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年11月26日発行 第466号 購読者へのお知らせ 私は本年12月26日から明年1月5日まで、エジプトのカイロ経由でパレスチナ自治区ガザに入り、 元旦の「ガザ解放世界平和の行進」に参加する予定です。 つきましてはその間のメルマガ配信は休止し、無事ガザから帰国出来れば、新年の配信は1月6日から 始めさせていただくことにしました。 12月と1月のメルマガ購読を検討されておられる読者におかれましては、上記の配信予定を念頭に置いて、 購入するかどうかの判断をしていただければ幸甚です。 尚、ガザ平和行進については、かつてメルマガで読者に呼び掛けて有志を募ろうとしましたが、ガザへの 入国が保証されないこと、そしてガザへ入国した後の安全が保障されないことの二つの理由から、私が皆を 誘って参加する、と言う事を断念し、個人で参加する事としました。 「ガザ平和の世界行進」に興味のある読者は以下のHPをご参照ください。 gazafreedommarch.org

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