Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第232号 米国の元捕虜に謝罪した藤崎駐米大使
無料記事

■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■  天木直人のメールマガジン 2009年6月23日発行 第232号 □■  ──────────────────────────────── ■   米国の元捕虜に謝罪した藤崎駐米大使 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    6月22日の毎日新聞に極めて重大な記事がスクープされていた。見逃す には大きすぎる記事だ。  5月30日に日本の駐米大使藤崎一郎氏が、米兵捕虜団体の会合に出席して、 日本政府として始めて謝罪したという。  フィリピン・バターン半島で米兵捕虜ら一万人以上を約100キロ無理して 歩かせ、約800人以上の犠牲者をだした、いわゆる「バターン死の行進」。 その事についての謝罪だという。  悪い事をしたなら謝罪する、それは如何なる意味でも正しいことだ。この 謝罪が、藤崎大使の元米捕虜兵に対する個人的謝罪であればそれを評価する。  しかし私が驚いたのは、藤崎大使が、「日本政府の立場を伝える」と発言して 謝罪したことだ。「95年の村山談話の範囲内」で謝罪したと述べていることだ。  あの村山談話は、その経緯からいっても、談話の内容から言っても、日本の アジア侵略の責任を謝罪する事を一義的目的としてつくられたものだ。  村上談話はいつから米国に対する戦争責任の謝罪の根拠に拡大されたのか。  日本政府は、米国に戦争をして迷惑をかけた事を謝罪する決定をいつしたのか。  戦争責任を謝罪するならば、サンフランシスコ講和条約に締結した49カ国に 等しく謝罪すべきではないのか。国によって謝罪をしたり、しなかったりすること でいいのか。  そもそも藤崎大使の謝罪は戦争責任の謝罪なのか。それとも戦争中に行なわれた 残虐な行為についての被害者に対する謝罪なのか。  戦争中の残酷な行為であれば、「バターン死の進行」だけに限らない。おびただ しい残酷な行為が至るところで行なわれてきた。  その犠牲者は米国軍人だけではない。アジア人はもとより英国人やオランダ人 なども含まれる。  それに、およそ戦争中は、どの国も多かれ少なかれ敵国民に残酷な行為を行なう。 米国は日本の非戦闘国民に対して無差別爆撃を繰り返した。なにより原爆投下を 行なった。米国政府はそれを決して謝罪しない。日本は謝罪を求めない。  もっと言えばあの村山談話を、田母神前航空幕僚長や皇国史観に立つ連中は 決して認めようとしない。アジアへの侵略は認めない。  その彼らは、村山談話にそって日本政府が米国に謝罪することは認めるのか。  政府・外務省はこれらの日本人に今回の決定を説明できるのか。  賢明な読者ならもう理解しているだろう。私が言いたい事は、今回の藤崎大使の 元米捕虜兵に対する謝罪なるものが、実に多くの問題を内包しているということだ。  それらの問題を考えた末での謝罪とはとても思えない。少なくとも米国に対する 謝罪について、国会でもメディアでも、それをまともに議論した事を私は寡聞に して知らない。  よもや、揺らぎつつある日米同盟をつなぎとめるために、米国政府や元米国 捕虜兵の機嫌をとろうとして謝罪したのではないだろうな。  今度の謝罪決定は閣議決定などを経てなされたものではなく、対米従属に走る 外務官僚が決めた謝罪ではないだろうな。  このまま見過ごしてしまうにはあまりにも重大な毎日新聞のスクープである。         ────────────────  天木直人のメールマガジン 2009年6月23日発行 第232号  発行者:天木直人  著者ブログ: http://www.amakiblog.com/  

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年9月19日に利用を開始した場合、2026年9月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年10月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する