■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月20日発行 第229号 □■ ──────────────────────────────── ■ 核廃絶に関する朝日新聞の二つの投稿 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6月5日の朝日新聞の投稿欄に静岡県在住の51歳の高校教師の、 「核削減へ日本外交は動く時」という意見があった。 それは、4月5日にチェコの首都プラハで行われたオバマ大統領の 核廃絶演説に言及し、核廃絶の主張を米国民に理解させるのは容易な事では ないだろうが、戦後の世界でこれといった外交のリーダーシップをとって こなかった日本は、今こそ外交的に動くべき時だ、オバマ大統領のリーダー シップを支持すべきだ、というものであった。 私もそれを訴え続けてきた。確かに核廃絶はオバマ大統領をもってしても 困難に違いない。しかし、オバマ大統領の時に核廃絶に向かって踏み出す事が 出来なければ、核廃絶は限りなく遠のく事は間違いない。今しかないのだ。 そう思っていたら、6月19日の朝日新聞の投稿欄に、やはり同じ静岡県 在住の84歳の無職の人から、「核削減迫る度胸、日本にあるか」という 投稿が寄せられた。 その投稿者は、自らと同年齢で、第一回フルブライト留学生だった国際問題 評論家の倉田保雄氏の次のエピソードを紹介し、6月5日の「核削減に向かって 日本外交が動く時」の投稿者には賛成だが、果たして今の日本の政治家に、 当時の倉田氏のような度量と知性があるのか、と述べていた。 倉田氏は、留学先のオレゴン大学に原爆製造の立役者であるエンリコ・ フェルミ博士が講演に来た1953年、自分の作った原爆で多くの米兵の生命 が救われた、という博士の自慢話に、質疑応答で真っ先に手を挙げ、 「10万人以上の非戦闘員を殺したことに人道上の責任を感じないのか」と 切り込んだという。 するとフェルミ博士は倉田氏をぐっとにらみ、「君がこうして留学できるのは、 原爆で戦争が終わったからだ」、と答えたという。 倉田氏はよく質問した。フェルミ博士も見事に反論した。 これが外交というものだ。 確かに今の日本の政治家や官僚を見ていると、どう考えても米国に核廃絶を 迫る事のできる者はいない。 何しろ米国大統領の前でエルビスプレスリーの真似をする首相を頂いている 国なのである。 ──────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月20日発行 第229号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。

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