■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月9日発行 第216号 □■ ──────────────────────────────── ■ 米国の北朝鮮外交の失敗は日本外交の大失敗である ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定することを検討し始めたという。 クリントン国務長官が7日、米ABCテレビのインタビュー番組で述べた という。 もし日本政府やメディアがこの米国の対北朝鮮強硬姿勢を歓迎している のであれば大きな間違いだ。 米国が強硬姿勢に転じたとすればそれは米国外交の失敗を意味する。そして 米国外交の失敗は、それに追従するしかない日本外交の大失敗ということだ。 しかも今回の米国の対北朝鮮外交の失敗は深刻だ。他のどの国よりも圧倒的に 深刻な被害を受けるのが日本だからだ。 これ以上日本外交は失敗を許されない。日本外交の失敗は今度こそ日本国民に 大きな不幸をもたらす。 私はこのまま米国が北朝鮮への軍事攻撃に突き進むとは思わない。しかし、 それも北朝鮮の対応次第だ。 おろかなサダムフセインがそうであったように、北朝鮮が米国の意図を読み 間違えば軍事攻撃の可能性は常にある。それが米国という国だ。 オバマ大統領は6日サルコジ仏大統領との会談後の記者会見で、「われわれ が同じ対応を取り続けると決めてかかるべきではない」と述べ、6カ国協議に 固執することなく、制裁など厳しい対応をとる可能性を示唆したという(6月 8日産経新聞)。 それに先立つ5日には、クローリー米国務次官補が記者会見で、国連安保理 決議如何にかかわらず、米国独自に金融制裁を強化する事を検討していると 明らかにしたという(6月7日毎日)。 そして7日のクリントン国務長官のテロ支援国家への再指定発言である。 ペリー元国防長官にいたっては、再度の核実験を防ぐには軍事力行使をも 排除すべきではない、とまで言い出したらしい(6月8日東京新聞)。 これら一連の発言は、もとより北朝鮮に対する脅しである。しかし脅しが 脅しでなくなる唯一の時がある。 その時とは北朝鮮がテロへ核兵器の移転を行なう確証を米国がつかんだ時で ある。北朝鮮がテロ支援を止める意思がないと米国が判断した時である。 米国が軍事行動を取る時は他国との協力関係など一瞬にして無視される。その 時では遅いのだ。日本は何があっても米国に北朝鮮を攻撃させてはならない。 そのために最強の外交努力を行う時は今しかない。中国を通じて北朝鮮に米国 の武力攻撃の危険性を本気で受けとめさせなければならない。テロ支援を行なわ ないと米国に確約させなければならない。 その一方で米国に対しては、北朝鮮攻撃を日本国民は絶対に認めないと はっきりと伝え、思いとどまらせなければならない。 北朝鮮との直接交渉によって、北朝鮮を攻撃しないことと引き換えに北朝鮮 の核凍結、核移転の停止を実現する、それを行なうよう米国に申し入れる べきだ。 残念ながら、いまのところ日本外交にそのきざしはない。それどころかこの国 の首相は、都内の街頭演説で、「戦うべき時は戦う、という覚悟だけは持たなけ れば、国の安全を守れるはずがない」などと、真逆の事を言っている。 外務官僚は無意味な国連安保理制裁決議のとりまとめに奔走し、米国の北朝鮮 テロ支援国家の再指定の動きは日本として歓迎すべきだ、など馬鹿なことを 言っている。 事態は深刻である。米国と北朝鮮の動きから目が離せない。中国の動きから 目が離せない。 ──────────────────────────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月9日発行 第216号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。

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