■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月7日発行 第213号 □■ ──────────────────────────────── ■ 郵政民営化の後退だけを大騒ぎする小泉偽構造改革 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 連日メディアを騒がせている西川日本郵政社長の進退問題。もはや麻生首相の 指導力が試される最大の問題になってしまったが、本当の問題はそれではない。 本当の問題は、かんぽの宿売却をめぐる不透明さや日本郵政の数々の不祥事の 解明であり、その不明をもたらした経営責任である。 この本質的な問題を曖昧にしたまま、鳩山総務相と西川社長の個人的怨念関係や、 自民党内の麻生降ろしの政局に矮小化されている。メディアがそればかりを報じる。 その誤りを6月6日の読売新聞の社説がズバリ次のように書いていた。 ・・・総務相への批判で多いのが「民間の決定に政治が介入すべきでない」と いうものだが、日本郵政は政府が全株式を保有する特殊会社だ。業務内容に疑義 があるのに何も口を挟まないようでは、かえって問題だろう。 「郵政民営化を後退させる」という指摘も、論理に飛躍がある。総務相は「社長 交代は民営化推進のため」と繰り返している。 この問題の核心は、「かんぽの宿」をオリックスに売却しようとした手続きに 不明朗な部分があったことだ・・・ ほかにも障害者向け割引制度を悪用した不正ダイレクトメール事件や、簡易 生命保険金の不払い調査を放置した問題など、不祥事が次々と発覚している。 普通の企業なら、経営者は引責辞任に追い込まれているところだ。 総務省の業務改善命令にも、日本郵政は回答していない。そんな段階で西川社長 再任の人事案を決めたのは、手順としておかしいのではないか。人事案は自発的に 白紙に戻すのが筋だろう・・・ 鳩山総務相が泣いて喜ぶような社説である。奇しくも6月6日の日刊ゲンダイも 同じ事を書いていた。 「大マスコミは歪曲報道をしている。『麻生政権の火種』などとばかり流して いるが、疑惑の人物を社長にしておいていいのかどうかを論じない不思議」、 と書いている。 権力批判が売り物のタブロイド夕刊紙の日刊ゲンダイと、体制擁護の大御所新聞 社説が見事に一致した不可思議さである。 読売新聞に何が起きたのか。鳩山総務相を応援しているとは思えない。小泉元 首相を批判しているとは思えない。麻生首相を応援しているのか。麻生政権への テコ入れ記事か。 その不思議さのついでに、もう一つ、本当の不思議さについて書いて見る。 こちらの不思議さのほうがはるかに深刻で、重大である。 6月5日の毎日新聞は、日本政策投資銀行法と商工組合中央金庫法の改正案が 4日の衆院本会議で可決された事を報じていた。 いずれも政府関与を残す事につながる改正案だという。政府投資銀行などの 完全民営化を撤回する流れは、これにより一層強まったという。与謝野馨財務・ 金融・経済財政担当相も、「政府も金融機能を持っていないと国民生活を守れ ない」などと言って民営化撤回を支持する姿勢を見せているという。 ところが不思議な事に、この民営化逆戻りの動きを誰も批判しない。メディア は取り上げない。なによりも小泉元首相自身がまるで関心がないのだ。 なぜか。それは財務官僚が相手の喧嘩になるからだ。財務官僚を敵にまわし たくないからだ。 その一方で三流官庁の旧郵政省や旧郵政官僚に対してはあっさり切り捨てる。 そうする事によって改革者としての称賛を浴びる。とんでもない茶番だ。 郵政民営化を後退させるな、などという偽改革論者の顔ぶれをみるがいい。政策 など何も分かっていない連中ばかりだ。改革を食い物にして生き残ろうとする 不埒な者ばかりだ。 そこのところを忘れてはならないと思う。 ──────────────────────────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月7日発行 第213号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。

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