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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第210号 吉田茂、鳩山一郎、中曽根康弘の外交観とその限界
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■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■   天木直人のメールマガジン 2009年6月5日発行 第210号 □■  ──────────────────────────────── ■     吉田茂、鳩山一郎、中曽根康弘の外交観とその限界 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     「首相は闘志満々」 「鳩山氏へ政権譲渡考えず」 などと大きく見出しが並べば、麻生太郎首相のことかと見まがうが、これは 55年前、1954年10月5日の朝日新聞である・・・・  こういう書き出しで始まる若宮啓文(朝日コラムニスト)の風考計 (6月4日朝日)はなかなか興味深い読み物であった。  まず吉田茂と鳩山一郎の次のような壮絶な権力闘争のエピソードの一端を 教えてくれている。  すなわち、ともに軍部政権に抗した自由主義者ながら、公職追放にあって 首相の座を譲って以来、戻ってくれば政権を返すという密約を期待した鳩山 一郎。それを反故にして首相に固執した吉田茂。  鳩山が吉田を「マクベスの中に出てくる化け物のような人」(鳩山一郎回顧録) と言えば、吉田は鳩山の再軍備構想を、「ちゃんちゃらオカシイ・・・極端に 言えばバカといわざるをえない(大磯清談)」、とこき下ろす。ついに二人は 和解する事はなかったという。  若宮は、吉田、鳩山の時代を知る91歳の中曽根康弘氏に、孫の麻生太郎、 鳩山由紀夫の評価を聞いてみる。  そして、「吉田・鳩山の論争に比べると、国際認識の議論が欠落してスケール が小さいね」、という中曽根氏の辛口評価を聞いて、次のように書いている。  「・・・なるほど、祖父の闘いはただの政治ドラマではなかった。占領軍の 力を背景にし、ひたすら米国や西側陣営と結びつつ戦後政治のレールを敷いた のが吉田氏なら、その対米一辺倒を批判し、日ソの打開に独自外交の道を模索 したのが鳩山氏。まさに日本の国際戦略を競っていた・・・」  そして若宮は、中曽根氏の次の言葉を引用する。  「・・・吉田外交の弱点を突き、その脱却を掲げたのが鳩山さん。いまなら 中国やアジア、あるいはオバマ政権の米国とどうするのか、日本の戦略や外交 を論じあってほしい。とくに野党の鳩山君は麻生君に切り込まなくては・・・」  これを読んだ時、私は吉田茂も鳩山一郎もそして中曽根康弘氏も、結局は 正しい日本の自主外交を果たせなかったのだ、と思い知らされた。  その最大の理由は、三人の元首相とも、あの憲法9条の素晴らしさをまったく 認識していないからだ。  日米同盟永久論者は別として、米国の鎖から解き放たれた自主、自立外交を 確立する事の必要性と、重要性を、否定するものはいないであろう。  しかし、対米自主、自立をよくなしうるのは、再軍備でも脱米国多角外交 でもない。憲法9条を世界に掲げた平和外交しかないのだ。  米国から自主、自立しようとする日本を米国は許さない。しかし憲法9条を 世界に向かって掲げる日本を世界は歓迎する。その日本を米国は妨げるわけには いかないのだ。  麻生首相も鳩山民主党代表も、その事に気づくことができなければ、結局は 日本を救う事はできない。そして麻生、鳩山両氏に辛口の評価を下す中曽根康弘 元首相もまた、日本を救う事はできなかった。    ────────────────────────────────────  天木直人のメールマガジン 2009年6月5日発行 第210号  発行者:天木直人  著者ブログ: http://www.amakiblog.com/  読者の皆様からのメールをお待ちしております。

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