□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年5月8日発行 第178号 □■ ────────────────────────────────── ■ 米国とアフガニスタンの歴史的関係 1978年に誕生した共産党政権を支援するために、ソ連はアフガンに 侵攻した。そのソ連軍と戦ったムジャヒディーン(抵抗聖戦士)を軍事支援 したのが米国であった。 この史実は、それから20年ほど後に、その戦士であったオサマ・ビン・ ラデンが反米思想とイスラム原理主義に傾注して9・11事件を起した事から、 歴史の皮肉であるとして、いまでは世間に広く知られている。 しかし、一方踏み込んで、次のような米国とアフガニスタンの歴史的関係を 知ると、米国は常にアフガニスタンを不安定化させてきたことがわかる。要する にアフガニスタンは米国の介入による犠牲国なのだ。 そのような米国がアフガニスタンに平和をもたらす事ができるはずはない。 米国にその資格はない。 「アフガン戦争の真実」(NHKブックス)などの著書がある琉球大学の金成浩氏 の講演が、6月6日(土)の夕刻18:15分から新宿リサイクルセンターで 行なわれるという。送られてきたアジア記者クラブ通信5月号(5月5日発行) で知った。 その講演の案内文に次のような説明があった。 ・・・今年は、ソ連軍によるアフガニスタン派兵から30周年に当たる。 マスメディアは当時、これを軍事侵攻として大々的に報じ、世界中で反ソ世論 が巻き起こるきっかけともなった。 ところが近年、ロシア国立公文書館(アルヒーフ)からの機密文書解除や、 専門家の研究の成果により、ロシア革命以来、レーニンとアマヌラ国王との交流 を皮切りに王政下のアフガニスタンに親ソ的土壌が築かれ、そうした矛盾に 着目した米国が、ソ連をアフガニスタンに引き込むために数々の水面下工作を 行なっていたことが明らかになった。 とくに1978年4月にダウド大統領(王子)の政権を倒した社会主義革命 以降、米国によるゲリラへの武器支援、破壊工作が激しさを増していった。 アルヒーフの文書によれば、アフガニスタン政府からソ連政府に派遣要請が 何度もなされ、それをソ連政府が断っていたことも明らかになった・・・ どのような賭け引きが米ソ間で行なわれたのか、米国の狙いとは何だったのか、 それが現在のアフガニスタン情勢の混迷とどのようにつながっているのか について、お話していただきます・・・ メディアが報じる国際情勢はあくまでも全体象の一側面でしかない。その 一側面が繰り返し報じられる事により、あたかもそれがすべてであるかのように 我々は思い込んでしまう。それがいかに危険であるか。 我々は一つでも多くの事実を学ぶ事によって、自らの考えの正しさを確認する 作業を怠ってはいけない。自分の考えが正しいかを自問する謙虚さを忘れては ならない。 米国の「テロとの戦い」が絶対的に正しいかのように報じられる。その米国へ の協力が、世界が日本に期待する国際貢献であると報じられる。 しかし、事実を知れば知るほど、その標語が間違っているかがわかる。 米ソ冷戦下で翻弄されてきたアフガニスタンは、今度はパキスタンを巻き込んだ 反米イスラム抵抗組織との戦いの犠牲になろうとしているのだ。 5月8日の各紙は、オバマ大統領がホワイトハウスでアフガニスタンのカルザイ 大統領、パキスタンのザルダリ大統領と三者会談を行なった事を報じている。 会談後の記者会見でオバマ大統領は語ったという。 「(国際テロ組織を)粉砕、解体、壊滅する」と。 どうやらオバマ大統領はブッシュ大統領よりも危険な大統領になりつつ あるようだ。 小泉元首相が始めたイラク戦争への協力は、より深刻な米国の「テロとの戦い」 へと日本を引きずり込もうとしている。 イラク戦争への間違った協力から抜け出せると思ったら、今度はもっと深刻な 米国の本物の「テロとの戦い」に巻き込まれようとしている。 歴史を知らない日本の指導者たちの責任は限りなく重い。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年5月8日発行 第178号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。

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