□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年5月3日発行 第172号 □■ ────────────────────────────────── ■ 「改正すべきは憲法9条」と公言した谷内正太郎政府代表 憲法記念日に先立つ一週間ほど前の4月28日から3日間にわたって、 産経新聞に谷内正太郎政府代表の連載インタビューが掲載されていた。 その二回目である4月29日の記事の中で、谷内氏は憲法改正について次の ように述べていた。 「・・・現在、未来の内外情勢を考えると、改正すべき点はあると思います。 その中でも最も重要なのは9条。国家の究極的な存在理由は安全保障で、 その根幹があいまいな状態はよくありません。明確な規定にすべきです・・・」 この谷内氏の発言を、産経新聞は誇らしげに、「改正すべきは憲法9条」 という見出しをつけて報じた。 これは北方領土問題に関する3・5島返還発言よりはるかに重大かつ深刻な 発言である。 谷内氏がただの外務省OBであれば、個人の意見であるとしてみずからの信念 を述べるのは自由だ。 そのような考えを持っていた者が外務事務次官をつとめていたのか、と 思い知らされても、である。 しかし、今の彼は政府代表である。麻生首相に乞われ、麻生政権下の外交を 代表する立場にある。個人的発言ですまされない事は北方領土問題での発言で 証明済みだ。 その人物が憲法9条はよくない。明確な規定に代えろと公言したのだ。 彼はそのインタビューのほかの箇所で、力には力で対処しなければならない のが国際社会の現実だ、と言っている。集団的自衛権は認めるべきだ、と 言っている。 産経新聞の見出しでなくても、谷内政府代表が憲法9条を変えるべきだと 言っていることは明らかだ。 もし麻生首相が、「自分は憲法9条を変えるべきだと思う」と発言したら どうか。直ちに国民に信を問え、となるだろう。 あの北方領土返還に関する谷内政府代表の3・5島返還発言が毎日新聞に 掲載された時、たちまち大問題となった。 それに対して谷内代表は、当初は誤報だと否定し、後になって軽率だったと 謝罪し発言を撤回した。中曽根外相が谷内代表に厳重注意した。国会でも 追及された。 翻って、今回の谷内政府代表の憲法9条否定発言はどう追及されるのだろうか。 今のところ誰もこの発言を問題にしていない。政治家もメディアもそして 護憲派の活動家も、誰も取り上げようとしていない。 それは連休中の発言だったからか。 連休明けにはじまる政局国会において民主党がこの問題を追及しなければ、 民主党もまた同じ考えを持っているということだ。 社民党や共産党がこの問題を追及しなければ、これら護憲政党の 「憲法を守る」という言葉は、口先だけということになる。 メディアや世論が騒がなければ、もはや憲法9条改正問題は、風化しつつ あるということだ。 連休明けに注目すべきは小沢一郎の進退問題だけではない。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年5月3日発行 第172号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。

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