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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第158号 限界集落にこそ人間らしい生活がある
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□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■  天木直人のメールマガジン 2009年4月22日発行 第158号 □■   ────────────────────────────────── ■           限界集落にこそ人間らしい生活がある  誰が名づけた言葉かは知らないが、いつの間にか限界集落という言葉が メディアに目につくようになった。  過疎化や少子化によって人口の半分以上が65歳以上の高齢者となり、 社会的共同生活の維持が困難になってしまった集落、というような意味らしい。  いかにも官僚的な冷たい言葉だ。物事を効率や合理性で片付けてしまう発想 から生まれた言葉だ。  サンデー毎日5月3日号に、限界集落をヒッチハイクや車で巡りながら、 現地の農家に寝泊りし、その土地の魅力を掘り起こしてブログで発信している 若者の事を書いた記事があった。  無農薬・循環型の農業に従事する夫婦との出会いや、里山の豊富な水資源を 利用してエネルギーを自給する取り組みを始めた人、自家栽培の米と大豆を、 昔ながらのかまどで炊事する人。  「住むこと、食べることを自分で出来れば、外部環境に依存しない自立した 生活が送れる、限界集落にはそんな思想が隠れています・・・お金を得るため に言いたい事が言えなかったり、自分の人生に筋を通せないことがある。  お金はなくても心から喜ぶ暮らしができる・・・」  そのような話に頷きながらその若者は旅を続けるという。  この記事を読んで、私は、少し前に読んだもう一つの記事を思い出した。 その記事とは月刊誌「創」4月号にあった大川豊の記事である。  大川豊とは、就職試験で153社に落とされたため、自ら大川興業を設立 してその総裁におさまり、154番目のその会社の合格内定をみずからの手で 出した、と称するギャグ男である。  その大川総裁が、ある限界集落を訪れた時のレポートを次のように 書いていた。  「・・・長野県の栄村に行き、山田義輝さんという、なんと90歳の元気 バリバリのおじいさんに会った・・・さっそく栄村で有名な田直しの話を 聞いた。国の補助事業だと30アール以上のたんぼでないと補助金は出ないが、 勾配の激しい山肌にあるたんぼはそんなに広くはつくれない。それに、そんな 広いたんぼが欲しいわけではない。田植え機や刈り取り機が通れるだけの広さ でよかった。それに国の補助を受けると、村もお金を出さなければならない。 そこでパワーショベルの達人と言われる青年と契約した。10アールあたり 200万円弱かかり、農家と村の負担がそれぞれ50万円ずつかかるところを、 自分たちでやることで、10アール40万円にコストがさがり、農家の負担も 20万円で済んだ・・・  山田さんは道直しもしている。国の補助を受けるには道幅6-7メートルで ないと規格が通らないし、土地買収や家屋の移転、さらには国土交通省への陳情 にも手間がかかる。そこで、冬のあいだ除雪作業をやってもらった5人の作業員 を通年契約にしてもらい、村職員と建設班をつくって、一緒にブルドーザーを 動かして、道路を広げた・・・補助事業でやると、1平米あたり3・5万円 のところ、1万円。3割以下のコストですんだ。しかも10倍以上のスピード で直してしまった・・・」  政府に頼らず自助努力でここまでできるのだ。官僚行政に頼る事が、いかに 割高で不自由であるか、ということだ。  大川総裁のレポートは医療や観光誘致にまで及ぶが、長くなるのでここ でやめる。しかし大川総裁の次の言葉だけは紹介しておきたい。 「・・・若者とお年寄りの元気を合体させたい。情報を若者や他の集落に 伝える事によって、『俺たちもやろう』となる。非常に高い可能性を感じる。 限界集落というよりも、明るく楽しい無限界集落をつくりあげていこう じゃないか・・・この山の多い国で、知恵と勇気で頑張ってきた限界集落に 派遣村を作ってほしい。おばあちゃんの煮物もおいしいし・・・」  この最後の煮物のところだけ少し説明がいる。大川総裁が山田義輝 おじいちゃんと話している時に、突然おしかけた大川総裁たちのために、 おばあちゃんが煮物をつくってくれたという。その時の状況を大川は次の ようにほほえましく描写している。  「・・・『だべでけ』と言うんだけど、『いぞいでづぐっだからうまぐね』 とも言う。一口食べると、非常においしく、『うまい!』と言いながらながら、 おじいちゃんに道路の話を訊いていると、『やっぱり、いぞいでづぐっだがら うまぐね』と入ってくる。『そんなことないですよ。おいしいです。僕たちは 外食ばかりですからおいしいです!』、『でも、やっぱり、ダメだ。 いぞいでづぐっだから』、と絶妙の間で入ってくる。  家の周辺を案内してもらっている時も、あばあちゃんは、普通よくお年寄り が押しているカートではなく、クロネコヤマトとか宅急便の人が使うような、 ものすごくでかい台車で、ものすごく大きな醤油を運んでいた。 『おばーちゃん、僕が運びますからーーーー』と思わず叫んでしまったくらい、 デカい台車とデカい醤油だった。その醤油を使って作ってくれていた (煮物だった)のだ・・・」  限界村で生きている人たちには間違いなく厳しい生活を強いられている。 必死で生きている。しかしそこには生活の知恵と喜びがある。生きる充実感が ある。それこそが本来の人間の生きる姿ではないのか。  永田町と霞ヶ関で作り出されるこの国の政策にははるかに及ばない 温かさがある。  我々の税金の分捕り合戦で明け暮れる政治家や官僚は自らを恥じるべきだ。  政治などなくても人々は立派に生きていけるという事を思い知るべきだ。   ─────────  天木直人のメールマガジン 2009年4月22日発行 第158号  発行者:天木直人  著者ブログ: http://www.amakiblog.com/  読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。  天木直人メルマガ懇親会のお知らせ。  現在までに確定した懇親会の案内です。最寄りの地に在住の方の参加を 歓迎します。参加希望者は開催場所を明記の上メールにてご一報ください。 東京開催は収容人数に達しました。京都開催はあと十名ほどです。京都開催には ビリ・トッテン氏が飛び入り参加する可能性があります。  京都開催   日時 5月16日(土) 午後1時─5時  場所 キャンパスプラザ京都(JR京都駅烏丸口から西徒歩5分)2階 (収容80名)  集会名  天木直人メルマガ懇親会(以下同じ)  参加要領 メルマガの購読者を優先しその他一般開放(以下同じ)  参加費  会場代分担 一人当たり500円見当  東京開催    日時 5月31(日) 午後1時─5時  場所 高井戸地域区民センター(収容70名)  京王井の頭線高井戸駅徒歩3分、荻窪駅南口から関東バスで 4番 「芦花公園駅前入口行」「給田行」 高井戸駅下車 徒歩2分  参加費   無料  富山(高岡)開催  日時 6月10日(水) 午後1時─5時  場所 ビジネスイン高岡 4階研修室・会議室(収容45名)     富山県高岡市駅南 5-3-3     JR高岡駅南口徒歩1分  参加費 500円(会場代分担)  福岡開催  日時 6月14日(日) 午後1時─5時  場所 アクロス福岡 セミナー室2(収容70名)     福岡市中央区天神1-1-1  参加費 500円-1000円(会場代分担)  福島開催  日時 6月28日(日) 午後1時─5時  場所 郡山ビッグバレット(収容60名)  参加費 500円─1000円(会場代分担)  盛岡開催  日時 7月25日(土) 午後1時─5時   場所 いわて国保会館  せせらぎ(収容40名)     盛岡駅から徒歩5分  参加費 500円(会場代分担)  山梨開催  日時 8月22日(土) 午後1時─5時  場所 生涯学習センターこぶちざわ  JR小淵沢駅徒歩15分  参加費 無料  徳島開催  日時 9月13日(日)  場所 未定  ─────────    

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