□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年4月16日発行 第148号 □■ ────────────────────────────────── ■ 日本は一日もはやく北朝鮮との首脳外交を行うべきだ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 北朝鮮問題をめぐる日本政府の対応とメディアの取り上げ方が、あまりにも ずれているので、SAPIOの記事をめぐる連載の途中に一言書いておきたい。 4月15日の毎日新聞と4月16日の産経新聞に、奇しくも防衛大学校の 倉田秀也教授の意見が立て続けに掲載されていた。日本も北朝鮮との二国間 協議を始めるべきだ、という意見である。まさしくその通りだ。 日朝二国間協議の重要性を正面から唱える識者はいない。それどころか日本は いまやどの国よりも6カ国協議に固執しているかの如くだ。 たとえば4月16日の産経新聞は、ボズワース米特別代表が米朝協議に応じる 姿勢を示した事について、麻生首相が、「国連安保理の話からいくと、6カ国 協議でやっていく事が手順としては正しい」と、不快感を示したと書いている。 麻生首相は間違っている。そもそも6カ国協議と2国間協議とは二者択一 ではない。それどころか北朝鮮は6カ国協議に復帰することを取引材料にして 米国や中国との直接交渉を狙い、米国も中国も、6カ国協議の開催に向けて、 それぞれの利害と思惑から北朝鮮との直接協議を進めるようとしている。 それは当然である。なぜならば各国はそれぞれの国益があるからだ。それに 基づいて外交を展開するからである。 6カ国協議は、いわばそのような各国の利害を認め合う最後の国際合意の 場なのである。 当然ながら日本も日本の国益がある。北朝鮮ミサイルの脅威をもっとも深刻に 受けるのは日本であるし、何よりも日本は拉致問題という国民的懸案がある。 しかも日本は北朝鮮に対しては巨額の経済援助という強い取引材料がある。 北朝鮮にとっては喉から手が出るほど欲しい金だ。米国や中国との関係に 比べれば、北朝鮮にとっては日本との関係正常化こそはるかに重要なはずだ。 だからこそ北朝鮮は小泉訪朝を歓迎し、平壌宣言に合意したのだ。 その意味で、国交正常化を首脳間のリーダーシップで実現しようとした小泉 外交は正しかった。 問題は、動機が不純だった事にある。ノーベル平和賞欲しさの小泉首相と、 出世を焦った外務官僚が、国民を欺き、みせかけの国交正常化を行なおうと した事にある。 その思惑が外れ、予想以上の国民の反発をかったとたんに腰砕けになり、 結果的に何度も北朝鮮を欺く事になった。これに北朝鮮が反発して日朝交渉は 完全に行き詰まった。 日本が北朝鮮との二国間交渉に踏み込めないのは、まさしく小泉外交がもたら した拉致問題に関する失敗のためなのだ。 麻生首相に助言する。小泉北朝鮮外交を白紙に戻し、原点に返って金正日 総書記との直接交渉を決断するのだ。これに成功すれば文字通り歴史に名を とどめることができる。 拉致家族の一人である蓮池透氏は、封印していた自らの思いを最近率直に 語るようになった。このままでは拉致問題の解決は望めない、という危機感が 彼をしてそう発言させているに違いない。 その蓮池氏は月刊マスコミ市民の4月号で極めて的確な「拉致問題」打開策 を述べている。 蓮池氏は言う。拉致家族は、左右のイデオロギーから翻弄されて、正しい 解決策を見失ってしまった、と。 すなわち、左派イデオロギーからは「拉致問題よりも贖罪と日朝国交化を 優先しろ」と批判され、右派からは「制裁一本やりの北朝鮮独裁政権打倒」 の思惑に乗せられてしまった、と。 そのいずれもが間違いだ、と彼は言う。拉致家族が相手にするのは北朝鮮 でも米国でもない。日本政府である、と。 解決の手段や戦略を拉致家族が語る必要はない。それらはすべて日本政府に 任せ、拉致家族はひたすらに日本政府に対し、一日も早く家族を取り戻して 欲しいと訴えるだけでいいのだ、と。これもまたその通りだと私は思う。 麻生首相、いまこそ小泉訪朝外交の負の遺産を自らの手で清算すべきである。 過去を謝罪し、経済協力を行なって国交正常化を図る事と同時に、北朝鮮には 拉致の全貌を明らかにして謝罪と原状回復を求める、核の脅威を取り除かせる、 この同時的、包括的解決しかない。 それは困難な協議であろう。しかしその困難な交渉こそ首脳自らが行なう 必要がある。 繰り返して言う。日本は北朝鮮問題の解決に向けて一日も早く北朝鮮と 首脳間協議を行なうべきである。日米韓の結束の重要性を訴えているだけでは、 問題は何も解決しない。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年4月16日発行 第148号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。 天木直人メルマガ懇親会のお知らせ。 現在までに確定した懇親会の案内です。最寄りの地に在住の方の参加を 歓迎します。 京都開催 日時 5月16日(土) 午後1時─5時 場所 キャンパスプラザ京都(JR京都駅烏丸口から西徒歩5分)2階 (収容80名) 集会名 天木直人メルマガ懇親会(以下同じ) 参加要領 メルマガの購読者を優先しその他一般開放(以下同じ) 参加費 会場代分担 一人当たり500円見当 東京開催 日時 5月31(日) 午後1時─5時 場所 高井戸地域区民センター(収容70名) 京王井の頭線高井戸駅徒歩3分、荻窪駅南口から関東バスで 4番 「芦花公園駅前入口行」「給田行」 高井戸駅下車 徒歩2分 参加費 無料 富山(高岡)開催 日時 6月10日(水) 午後1時─5時 場所 ビジネスイン高岡 4階研修室・会議室(収容45名) 富山県高岡市駅南 5-3-3 JR高岡駅南口徒歩1分 参加費 500円(会場代分担) 福岡開催 日時 6月14日(日) 午後1時─5時 場所 アクロス福岡 セミナー室2(収容70名) 福岡市中央区天神1-1-1 参加費 500円-1000円(会場代分担) 福島開催 日時 6月28日(日) 午後1時─5時 場所 郡山ビッグバレット(収容60名) 参加費 500円─1000円(会場代分担) 盛岡開催 日時 7月25日(土) 午後1時─5時 場所 いわて国保会館 せせらぎ(収容40名) 盛岡駅から徒歩5分 参加費 500円(会場代分担)

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