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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第139号 政権交代の先にあらわれる政治課題
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■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■  天木直人のメールマガジン 2009年4月9日発行 第139号 □■   ────────────────────────────────── ■    政権交代の先にあらわれる政治課題  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    4月8日の朝日新聞に菅直人が政権交代後の姿を語っていた。この メルマガの読者の中にもそれを読まれた方は多いと思う。  それは、菅直人の言葉を借りれば、「官僚支配を打破するビジネスモデルを つくる」ということである。  菅直人はまず自らの厚生大臣就任時の体験を次のように披露し、この国の 閣僚がいかに官僚のシナリオに従っているかを述べている。  「組閣の時、総理執務室を出たら、すぐ官僚(註:厚生省の山口剛彦官房長) がいるわけです。『おめでとうございます』と。大臣秘書官について何かお考え がありますかと聞かれたので、今は考えていないと言ったら、じゃあ、こういう のがいますけど、どうですか、と。ちゃんとした人だね、と言ったら、はいと 言って、そこにもう来ているわけですよ。あと、1時間後に記者会見があります から、これをどうぞと資料をわたされる・・・」  そして菅直人は次のようにこの国の官僚支配の実態を述べる。  「大臣の時、いちばん忙しかったのは予算委員会の朝でした。きょうは こういう質問が来ます、こう答えてください、と官僚が夜中につくった書類 をわたされる。   おれが言っていることと違うじゃないか、といっても、大臣答弁まで振付け ようとする・・・最近はふりがなも振ってあるようだから、ひらがなさえ読めれ ばいいんですよ・・・」  このエピソードは私にとっては驚きでも何でもない。懐かしく思い出される 現実だ。  そんな官僚支配の弊害を、今こそ打破しなくてはならない。その為に民主党は 政権を取ったら議員100名でチームをつくり、内閣や各省庁に送り込み、 官僚を動かす、という。  なぜこれが今まで出来なかったのか。菅直人の次の言葉は興味深い。  「大臣になった人は、副大臣、政務官を選べるようにする。今は副大臣や 政務官が単にポストであって、チームになっていない。(国会議員というのは) みんな自分が目立ちたいんですよ。それは仕方がない、選挙があるから。大臣が こう言っているのに、副大臣が違うことを言い出す、わけがわからなくなる。 だから大臣が副大臣を指名することはものすごく重要なんです・・・チームに なっていないから役人に負けるんですよ・・・」  そして菅直人は、官僚支配打破のこの基本的な考えは、「鳩山由紀夫さんも、 岡田克也君も、前原誠司君も、歴代代表はほとんど同じ」だという。  もしそれが本当なら、民主党が政権を取った暁には、間違いなくこの国の 運営は大きく変わる。政治が官僚を従え、官僚もまた政策に共鳴できる政治家 のために働く事になる。  これこそ国民主権の政治ではないのか。なんとしてでも民主党に一度は政権を 取らせたい。  もはや誰もがそう考え始めている。私もそれを願ってきた。それを願って 政権交代の重要性を主張してきた。  ところがここに一つの大きな落とし穴が潜んでいる。その落とし穴とは何か。  それは民主党の政治家100人が、すべて国民の為に正しい政治を行う政治家 なのか、という事である。官僚を統率する能力のある政治家なのか、という事 である。  民主党が政権を取る事を前提に言っているから民主党の政治家を例に出した のであるが、この事は民主党の政治家に限らない。あらゆる政党の政治家に あてはまる。  どのような政党間の連立政権が出来ようとも、政権を握った政治家たちが、 果たして、こころざしが高く、正しく、そして官僚を掌握できる政治家で あるのか、という事である。  現在のように、政治家が官僚に仕事を丸投げしたり、あるいは官僚が政治家に 面従腹背の関係にあったりする事は、決して好ましくはない。  しかし、もし政治家と官僚が一体となってこの国を動かす事になれば、その権力 は絶大である。今の政権の権力の比ではない。  その時、その絶大な権力が、国民の利益に背馳するとしたらどうか。特に、 組織も影響力も何も持たない大多数の、政治的弱者の国民の声が、届かない とすればどうか。  いくら政治家が国民に選挙で選ばれたからといって、国民のための政治を 行なう保証はない。  ここに大きな落とし穴があるのだ。  私がかねてから主張するように、権力を握った政治家を監視する政治家が 必要なのだ。政権政党を一切目指す事なく、常に政権政党の権力の濫用を 監視する、そのような、いわばオンブズマン政党が必要なのだ。  財界、業界を含めたあらゆる利権集団や、労働組合、イデオロギー集団、 宗教集団などを含めたあらゆる組織から独立し、本当の意味で国民一人一人の 自由と基本的人権を守る政治家や政党が、今後ますます必要になってくる。  そう私は確信している。  ──────────────────  天木直人のメールマガジン 2009年4月9日発行 第139号  発行者:天木直人  著者ブログ: http://www.amakiblog.com/  読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。  

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