… … …(記事全文3,291文字)世界が社会主義化している。
世界中の官僚や司法やメディアが左傾化している。
などと言われているし、私もそのような主張をしているが、なぜ、そうなったかを話す人は少ない。
今回は歴史的事実としての、官僚や司法やメディア左傾化の歴史的背景を語りたい。
1960年代後半、ドイツの学生運動家ルディ・ドゥチュケが「制度を通じた長い行進」という静かな戦略を唱えた。ルディ・ドゥチュケ
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=824156彼の思想的バックボーンとなったのが、イタリアの新マルクス主義者アントニオ・グラムシの提示した「ヘゲモニー(主導権)闘争」だった。
アントニオ・グラムシ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7ルディ・ドゥチュケが「制度を通じた長い行進」を唱えるに至った背景には、1960年代後半における西ドイツ学生運動の挫折と限界があった。
当時、ベトナム戦争反対運動や大学改革を訴えた学生たちは、街頭デモや直接行動によって社会革命を目指した。しかし、強固な西ドイツの資本主義体制と既存の法秩序の前に、街頭運動は警察の弾圧や大衆からの離反に直面し、手詰まりに陥った。
ここでドゥチュケが着目したのが、イタリア共産党の創設者であり思想家のアントニオ・グラムシが1930年代に獄中で書き残した「ヘゲモニー(文化・思想的主導権)理論」だった。
ここでのグラムシの指摘が非常に面白いのだが、グラムシは、ロシア革命(1917年)のように一挙に国家権力を奪取する「急襲」が成功したのは、市民社会が成熟していなかったロシアだからこそだと分析した。
対して、西欧の先進資本主義国では、教育、教会、メディア、法制度といった「市民社会の網の目」が国家を強固に護衛しているため、暴力革命による急襲は失敗すると結論づけた。
先進国で革命を起こすには、まず市民社会内部の様々な拠点に侵入し、人々の常識や価値観、倫理観の主導権を奪い取る「陣地戦」が不可欠であると説いたのだ。
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