… … …(記事全文5,267文字)「いたたたた…。じっとしてるといいんだけど、体を動かすたびに、背中がキリキリ痛むの。うううう」
4月3日金曜日の夜、叔母に電話をかけると、苦痛に悶える声が聴こえてきた。胸椎に転移したがんの痛みなのかもしれない。声の調子からして、かなり痛そうだ。
ちょうど1週間前の3月27日金曜日、診察に同行した際、医師は低下している肝機能や腎機能を考慮して、比較的副作用が少なく、効き目の弱い鎮痛薬であるアセトアミノフェンを処方してくれた。しかし、十分な効き目が得られていないのは明らかだった。
叔母の話によると、3日前ほどから痛みが強くなってきたという。腕を動かすのも辛くて、日常生活に支障をきたしている。食事は近くの知人が買ってきてくれてなんとかなっているが、洗濯物を干すのが大変だと話した。それに脚の腫れもさらに強くなって、お腹まで張ってきたような気がすると話した。このまま、放置するわけにはいかない。
「おばちゃんが今飲んでる薬はね、効き目が弱いのよ。もっと強い薬を出してもらわないとダメだと思う。もし我慢できないようだったら、今からでも痛み止めを持って、おばちゃんちへ行くけど、どう?」
「悪いよ、3時間はかかるんでしょ。夜の運転は危ないし…いたたた」
「僕の心配をしてる場合じゃないと思うけど…。そしたら、明日早目に家を出るから、一緒に救急外来へ行こう。明日の朝までがんばれる?」
「横になって動かなければ痛くないから、大丈夫よ」
「わかった、じゃあ、明日の朝、早めに着くようにするね」
もともと、土曜日の午後、叔母と一緒に最寄りの高齢者支援センター(地域包括支援センター)へ行く予定にしていた。27日、一緒に診察を受けた後、毎晩電話をかけて安否を尋ねるとともに、今後のことを叔母と話し合ってきたのだ。
誰にも頼らず独りで生きてきた叔母にとって、がんになったからといって誰かに手助けをしてもらうのは、まだ抵抗があるらしかった。しかし、脚が腫れて自由に出歩けず、シャワーを浴びるのも大変になっている。近いうちに誰かの手助けが必要となるのは確実だった。そのためにも、今からケアマネージャーさんに相談しておいたほうがいい。そんな話をして叔母の了解を取り付け、高齢者支援センターに相談の予約をしていたのだ。

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