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“裸の王様”として現れたトランプ大統領
2026年──。
ウクライナ戦争収束の道筋はいまだ見えておらず、世界が揺れ動く年であることに違いはない。だが、それにしても、これほどまでに絶望的な年になるとは一体誰が予測しただろうか。
年明け早々の2026年1月3日、アメリカはベネズエラの首都カラカスで突如として軍事作戦を展開した。
独裁政権を敷いてきたとされるニコラス・マドゥロ大統領とその妻を、アメリカの特殊部隊「デルタフォース」が拉致し、アメリカ本国へ送還するという衝撃的な事件が起きたのである。
ちなみに、ベネズエラに対するトランプ大統領の言動は、これまでも一貫していたわけではなく、常に変遷してきた。
当初は「ベネズエラの民主主義の回復」を掲げ、経済制裁も科していた。
ところが、その後になると、真偽の定かでない「ベネズエラ上層部による麻薬取引」を強く批判し始め、ついにはベネズエラ近海へ米海軍を展開し、(麻薬取引船とされる?)小型船への爆撃まで行うようになった。
そして、その延長線上にマドゥロ大統領夫妻の拉致・連行があったわけだが、ここでトランプ大統領の口から出たのが「西半球はアメリカのバックヤード」という台詞である。
要するに、南米に反米政権は必要ないということであり、かつての「モンロー主義」と自身の名前「ドナルド」を掛け合わせた「ドンロー主義(ドンロー・ドクトリン)」なる概念まで提示したのだ。

