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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #196:ガーナでカカオ豆の生産量が激減! 今年は、チョコレートの値段が上がるかも!?

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やっぱり地理が好き 

~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

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第196号(2024年2月28日発行)、今回のラインアップです。

①世界各国の地理情報

 ~ガーナでカカオ豆の生産量が激減! 今年は、チョコレートの値段が上がるかも!?~

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こんにちは。

地理講師&コラムニストの宮路秀作です。

日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。

今回で196回目のメルマガ配信となります。


元来、天然ゴムは南米アマゾン地域に自生する資源であり、19世紀まで世界の供給はブラジルに依存していました。


イギリスはこの重要資源を自国の植民地で栽培することを目指し、19世紀後半にブラジルから天然ゴムの木を持ち出してマレー半島にもたらし、同地で本格的な栽培を開始しました。当時、世界的な工業化と自動車産業の発展に伴ってゴム需要が急増し、20世紀初頭にはゴム産業がマレーシア経済の基盤となるまでに急成長します。やがてマレー半島は世界最大の天然ゴム生産地へと発展し、天然ゴムは主要輸出品として多くの雇用と収入を生み出し、当時の植民地経済を支えました。


第二次世界大戦後も天然ゴムはマレーシアの主要輸出品でしたが、20世紀後半になると状況に変化が生じました。天然ゴムの国際価格が下落と高騰を繰り返すようになり、さらに石油を原料とする合成ゴムが台頭したことで、天然ゴムに依存したモノカルチャー経済は不安定な状況に陥りましす。


こうした状況を受け、マレーシア政府や企業は天然ゴム依存の経済からの脱却を目指し、新たな作物としてアブラヤシの栽培を積極的に推進しました。アブラヤシから得られるパーム油は食用油や工業用途で需要が高く、この作物への転換はマレーシアに新たな主要産業をもたらしました。また、近隣のインドネシアでも同様に国策としてアブラヤシ農園の大規模拡大が進められました。そして現在では、同国は世界最大のパーム油生産国に成長しています。


いわゆる脱モノカルチャーです。


しかし、この経済構造の転換には負の側面も伴いました。パーム油生産を支えるために農園を拡大する過程で、熱帯林の大規模な伐採が行われました。特にボルネオ島やスマトラ島では森林破壊が深刻化し、オランウータンをはじめとする野生生物の生息域が脅かされるなど、生態系への影響が顕著となっています。さらに、大量の森林消失は二酸化炭素の吸収源の喪失にもつながり、地球温暖化を促進する一因ともなっています。


このように、マレーシアは天然ゴムのモノカルチャー経済からアブラヤシへの転換によって経済発展を遂げましたが、その陰で熱帯林破壊による環境問題も深刻化し、持続可能な発展への課題に直面しています。


それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。

よろしくお願いします!


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①世界各国の地理情報

~ガーナでカカオ豆の生産量が激減! 今年は、チョコレートの値段が上がるかも!?~


ギニア湾岸に位置するガーナは、カカオの生産量においてコートジボワールに次ぐ世界2位をほこる国です。2023年は、ガーナ(11.7%)と隣国コートジボワール(42.5%)の2か国で世界の約60%の生産量をほこり、同じくギニア湾岸諸国のカメルーン(世界6位、5.2%)、ナイジェリア(世界7位、5.1%)を加えると、64.5%のシェアとなりますので、同地域が世界のカカオ豆の主産地であり、生産地の偏在性が高い農作物です。


まるで原油やレアメタルのようでもあります。鉱産資源に関しては、生産地域の政情不安が与える世界経済の影響が大きくなりますが、カカオ豆は農作物ですので、影響があるとすれば豊作、不作といったところでしょうか?


そのカカオ豆において、近年、ガーナの生産量大幅に減少しつつあり、これは単に一国の農業問題に留まらず、国際的な食料供給の流れや途上国の産業構造、将来のカカオ栽培、さらにはチョコレート製品の価格と供給にまで波及する重大な問題となっています。


■食料供給のグローバルな流れへの影響

ガーナのカカオ豆の生産規模の縮小は、国際市場の供給バランスを崩しています。つまり供給不足を引き起こしているということです。世界のカカオ豆生産量のおよそ3分の2はギニア湾岸諸国によるものです。


両国の収穫不振によりカカオ豆の供給不足が懸念され、実際にカカオの国際価格(先物価格)はこの1年で2倍以上に急騰し、連日過去最高値を更新する事態となりました。市場ではチョコレートの原料不足への警戒感が広がり、ニューヨーク市場のカカオ先物価格が急騰するなど、グローバルな食料供給チェーンに緊張が走っているようです。


ガーナとコートジボワールという「カカオの大国」で未曾有の不作が起きたことで、世界中のチョコレートメーカーにとって原料調達の不確実性が増しているようです。カカオ豆の主要な輸入国は、この状況に対応すべく動き始めています。多くのチョコレート製造企業は原料の大半を西アフリカに依存しており、ガーナの減産はそのまま原料不足につながります。企業や輸入国は、代替供給源の確保や在庫の積み増し、産地の多様化を検討しています。


例えば、

… … …(記事全文10,138文字)
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