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やっぱり地理が好き ~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

宮路秀作(地理講師&コラムニスト)

宮路秀作

やっぱり地理が好き #144:同じ事が続くことこそ、本来「異常」なのかもしれない

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やっぱり地理が好き 

~現代世界を地理学的視点で探求するメルマガ~

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第144号(2024年1月31日発行)、今回のラインアップです。

①世界各国の地理情報

 ~同じ事が続くことこそ、本来「異常」なのかもしれない

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こんにちは。


地理講師&コラムニストの宮路秀作です。


日頃、周りの人たちからは「みやじまん」と呼ばれています。


今回で144回目のメルマガ配信となります。


当メルマガは、地理講師であるわたくし宮路秀作によるものであり、地理に関するコラムを毎回書いております。とはいえ、「何を持って地理学なのか?」と言われると、「果たして地理学とは何ぞや?」といった疑問に必ず当たることとなります。空間スケールの大小で観察できるものが異なる、この考え方が地理なのであって、何を持って地理なのかといえば、そりゃ疑問が沸いてくるのは当然のことです。


わたくしは普段の代ゼミで授業以外に、講演会などに呼んでいただくことがあります。どちらも「喋る」仕事です。しかし、「喋る」ために稿を起こすのであって、それは「書く」ことです。この「喋る」と「書く」は「自動車の両輪のようなもの」であって、ここ数年はこれが上手く回り始めたという実感があります。


しかし、知れば知るほど「いかに自分がものを知らないか」、まさしく古代ギリシャの哲学者、ソクラテスがいったとされる「無知の知」を実感します。ソクラテスは当時、ギリシャの人々が知らないことを知らないままにし、また知ったつもりになっていることに気づきました。そのため真の知に到達するためには、まず自分が知らないことを自覚しなければならないと考えたわけです。そこで問答法という方法を用いて、相手の主張を問いただして回ったわけです。ソクラテスって、メチャクチャ面倒臭い奴です。


わたくしは以前、代ゼミとは別の予備校にて倫理を教えたことがありました。専門ではありませんが、教員免許を持っていることもあって、教えられるかと尋ねられれば「大丈夫です!」というしかありません。


倫理では古代思想の単元があり、古代インド思想や中国思想、古代ギリシャ思想、キリスト教の4つです。


それでは、今週も知識をアップデートして参りましょう。

よろしくお願いします!


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①世界各国の地理情報

~同じ事が続くことこそ、本来「異常」なのかもしれない~


かつて釈迦という人物がいたことは、みなさんもご存じのことと思います。


彼は、シャカ族という民族を出自に持っているためその名が名付けられています。本名はゴーダマ・シッダールタです。釈迦が生きた時代のインドは、大小合わせて16の国があり、シャカ族の治める国はマガダ、コーサラという2つの大国に挟まれた小さいものでした。


釈迦が出家するきっかけとなった有名な話として「四門出遊」というものがあります。自国の東の門を出ると老人と出会い、従者に「老人とは何か?」と尋ねると、「あの者は歳を重ねて老いていきましたが、あなたと同じように若いときがあったのです。そして誰でもあのように老いていくのです」と返答されます。その後に、南の門では病人、西の門では死人、北の門では沙門(出家修行者)とそれぞれ出会い、老病死に触れた釈迦は、その後出家します。


実際にそのような状況があったかどうかは別にして、釈迦は若く健康的に生きていることへの誇りを捨てることで、より充実した人生を送ることができるようになると考え、寛容で思いやりのある生き方を心がけようとします。まさしく、同じ事が続くことはないのだと知るわけです。


倫理だけでなく、高等学校の地理においても「宗教」の単元があります。文化の違いが争いを生むことは現代世界で広く散見されます。まさしく当メルマガで丁寧に背景を解説してから、現代世界の情勢に踏み込むのは、こういったことからです。

… … …(記事全文6,081文字)
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