… … …(記事全文2,771文字)
4月16日配信の日テレNEWSやANNニュースによると、ロンドン東部のカナリーワーフというオフィス街に展示されているクジラのオブジェが物議をかもしている。
ニューヨークの建築デザイン事務所のStudioKCAが制作したもので、ハワイの自然保護団体の協力を得て、ハワイの海岸とニューヨークの水路で集めた青と白のプラスティックゴミ5トンを使い、水面から上半身を出し、反るポーズのクジラを表している。
砕かれたプラスティック片はマイクロプラスティックと呼ばれ、分解されにくく、海に捨てられると魚や鳥、クジラなどの大型動物の体内に入りこみ、最終的には人間の体内にもとりこまれることになる。
クジラのオブジェはこのようなマイクロプラスティック汚染に警鐘を鳴らすためであるという。
それだけのことなら物議をかもさないだろう。
問題は、オブジェに使われている、かごやケースなどのプラスティックゴミに、私が確認しただけでも「田老漁港」「山田魚市場」「中野定置」「石巻魚市場」「久慈港 須藤丸」「松前さくら」「女川 へ(正確にはやまの形)長」「気仙沼魚市場」という名が見られ、それらは不法投棄されたのではなく、どう考えても東日本大震災の大津波によって海に流失したものであることだ。
このオブジェには他の言語が書かれたプラスティックゴミは見あたらず、日本語が書かれた、それも本人たちは気づかないまま、東日本大震災で大きな被害を受けた地域のプラスティックゴミだけが、一番表によく目立つように配置されている。
しかも「クジラ」であることは日本の「捕鯨」を連想させるよう仕組んでいるようにも思える。
購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン