… … …(記事全文2,524文字)
最近、「利他行動」について説明するという機会があった。
しゃべって説明しただけなので文章としてまとめてみようと思う。
利他行動とは、その文字だけからは他者を利する行動と読み取れるだろう。
かつて動物行動学の世界にはこの字面だけを見て、電車やバスで人に席を譲るのも利他行動だと主張する人々がおり、話が通じず、困ったことがあった。
利他行動とは、自分の命の危険も顧みずとか、その行動をとらなければ、もう1人多くの子を持てるのに、と言った、極めてシビア―な条件を伴う行動のことである。
電車やバスで人に席を譲ったからと言って、自分の命が危険に晒されるわけではない。
席を譲られた相手も、それで命が救われるというほどに助かるわけではないのだ。
結局、どういう条件下でそのようなシビア―な行動をとることができるかということを突き詰めていくと、それは自分に極めて近い血縁者に対してだけである。
アカの他人に対してはできないし、かなり近いの血縁者であったとしても、いとこやまたいとこでは、さて本当にできるかなというくらいである。
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