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全国の公立の男女別学高校が急速に減ってきている。
平成15年(2003)には男女別学かどうかに関係なく、男子のみ在籍するのが28校、女子のみは95校もあったのに、20年を経た昨年にはそれぞれ15校と30校にまで減った。
この共学化の背景には少子化や男女共同参画の潮流があるという。
ほとんどの都道府県の公立高校がほぼ共学のみとなった現在、群馬、栃木、埼玉の北関東3県は貴重な存在だ。
群馬は男子高と女子高がどちらも6校、栃木も同じくどちらも4校、埼玉では5校と7校である。
いずれも旧制中学や女子師範学校などを母体としているため、歴史と伝統を誇り、学力の高い生徒が集まる高校となっている。
そんな埼玉で先月22日、県内の12校の男女別学高校の共学化について「主体的に共学化を推進していく」という報告書が県の教育委員会によって提出された。
高校の3年間を男女が互いに協力して学校生活を送るべきだというが、会見で県教委は男女共同参画の視点を踏まえた判断ではないと矛盾した回答を出した。
実は埼玉では既に平成14年(2002)に一度、共学化の議論がなされている。
県男女共同参画苦情処理委員が共学化の早期実現を勧告したのだ。
それに対し県教委は「別学校は長い歴史と伝統を持ち、在校生、卒業生、保護者らに強く支持されている」と、私が思うには極めてまっとうな判断をくだし、共学化は実現しなかった。
しかし20年を経た令和4年(2022)になり、県男女共同参画苦情処理委員のもとへ「県立の男子高が女子の入学を拒んでいるのは、(国連の)女子差別撤廃条約違反だ」と、活動家風味の漂う苦情が寄せられ、共学化問題が再燃したのである(ちなみに埼玉の公立の別学校はすべて県立である)。
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