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2000年以降のノーベル賞自然科学部門。
日本人の連続受賞にはすさまじいものがあった。
2000年、白川秀樹氏の化学賞、2001年、野依良治氏の化学賞、2002年には田中耕一氏の化学賞と小柴昌俊氏の物理学賞のW受賞。
以後6年間の空白を経るが、2008年には南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏による物理学賞の共同受賞と下村脩氏の化学賞と、空白期間を取り戻すかの如く受賞者ラッシュ。
以降は1年のブランクはあったとしても日本人受賞者が絶えることはなく、私は産経新聞の正論欄で何度も記事を書かせてもらった。
とはいえ2021年の真鍋淑郎氏の物理学賞以降は22、23年ともに受賞者なしである。
これをもって結論するのは早すぎるかもしれないが、もしかすると日本の基礎科学研究のストックが尽きてきたのかもしれないし、資源の乏しい日本では基礎科学研究が国力の根幹をなすはずが、それが疎かにされているのではないかと疑ってしまう。
実際、研究の質をあらわす、論文の引用される件数、研究環境、教育・学習環境の3つを主な評価対象とした、世界の大学ランキングでは、日本の大学の凋落が深刻だ。
中国の精華大、北京大の後塵を拝しているほどである。
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