… … …(記事全文3,080文字)日本は、つい先日まで世界第2位の経済大国だった。
しかし、1997年の消費増税以降、超長期の経済停滞に陥り、中国、そしてドイツに抜かれ、今や世界第4位。そしてIMFは、来年2027年には英国とインドにも抜かれ、世界第6位に転落すると予測している。
さらに、このままの成長率と1ドル150円程度の円安が続けば、10年程度でGDP規模はロシア、ブラジルに抜かれ、世界8位にまで転落するという試算もある。
そうなれば、日本はもはや先進国でも、ましてや経済大国とは決して言えぬ国となる。それはもはや立派な「中進国」レベルだ。
現在世界4位だが、まさに来年から6位以下へと転落していく今のこの日本経済の状況は、文字通りの掛け値なしの「崖っぷち」なのである。
■為替120円になっても、10年後にはやはり7位にまで転落する。
しかし、あくまでもこうした予想は、「現状が続けば」という前提の上での話だ。
為替が、そして、成長率がわずかなりとも変われば、日本の未来は瞬く間に「明るい」ものとなる。
例えば、IMFの2026年GDP予測を出発点とし、各国が過去5年間と同じ名目成長率を続けると仮定してみよう(日本は、3.68%)。そして、為替が現状の150円前後ではなく、2022年以前なら当たり前だった一ドル120円程度を想定してみよう。
そうすれば、現状の成長率でも、為替が120円になればもうそれだけで、日本は5年後には、現状の世界4位を維持可能と予想される。
しかし――誠に残念ながら、為替が120円になっても10年後には世界第7位へ転落する計算だ。
■成長率があとわずか「2%」上乗せされるなら、日本はGDP世界3位に復活する!
これは偏に、日本の「相対成長率」(世界各国との成長率の格差)が、「低い」事が原因だ。
つまり日本経済が約30年間低迷し、足踏みしている間に、世界は着実に成長し続けているのだ。そして日本は、かつて90年代までに築き上げた「経済大国」の貯金が文字通り「全て」使い果たされ、目に見える形で6位、7位へと転落する、まさにその瞬間に立ち至っているのだ。
繰り返すが今の日本経済は、文字通りの「崖っぷち」なのだ。
しかし、名目成長率が現状よりも、あと2%だけ、上乗せできるとすれば、事態は一変する。
日本は5年以内に世界第3位に「復活」することができるのだ。
そして、10年後においても、その地位は維持され続けることとなる。
つまり、日本の経済的凋落は、単なる円安の問題ではない。真の問題は、日本の成長率が低すぎるところにあるのだ。
■「責任ある積極財政」があれば、「あと成長率2%の上乗せ」は可能である
そして――「あと、2%の成長率の上乗せ」は十分に可能だ。
日本の名目GDPは約600兆円規模。単純計算では、年間6兆円の付加価値増加がGDPの約1%に相当する。
つまり、内需があと、12兆円拡大できれば、成長率が2%拡大できるのだ。
政府と民間が一体となって国内需要と投資を拡大し、それが国内の生産・所得の増加につながれば、成長率をさらに高める余地はある。
そのために重要なのが、責任ある積極財政への転換である。
岸田・石破政権期には、日本と他のG7諸国との名目成長率格差が、安倍内閣期よりもさらに約1.3%ポイント拡大してしまった。
これは、バブル崩壊によって拡大してしまった水準の約半分程度の水準だ。
だから、今後の経済政策で「アベノミクス程度の効果」が期待できるのなら、それだけで1%以上の成長率の「上乗せ」効果が期待できる。
そして、アベノミクスにおいて必ずしも十分に推進できなかった「責任ある積極財政」が今後、効果的に推進できるのなら、アベノミクスを上回る成果が得られることも十分に期待できる。実際、アベノミクス時代には実現できなかった「物価上昇局面における、持続的な実質賃金の上昇」が、現下の「責任ある積極財政」で実現されている。
(コチラ参照→『今の日本経済は1991年以来、35年ぶりの「実質賃金の上昇」を記録しています。』 https://foomii.com/00178/20261009180753158436)
2%程度の「成長率上乗せ」は、こうした状況を鑑みれば十分に達成可能な水準なのだ。
■成長すれば、円高への道も開ける
そして、為替の適正化も、そうした成長が可能となれば、現実的なものとなる。
そもそも、2010年代には日本の為替は一ドル110円前後で推移していたのであり、150円前後となったのは、ここ数年の「特殊」な状況だ。
日本経済が再び成長し、国内投資が増えれば、日本への投資の魅力が高まり、円需要が拡大する可能性がある(経済成長 → 国内投資・内需拡大 → 円需要増加 → 円高)。
したがって、110~130円程度が再び視野に入ることは十分に現実的な話なのであり、上記の「一ドル120円」のシナリオは決して、非現実的なものではないのである。
■ 日本再生の分岐点は、今年の予算編成にある
経済力は、外交力や安全保障を支える国力の基盤だ。このまま低成長を放置すれば、日本の国際的な存在感はさらに低下していくことは必至だ。
そもそも防衛力が限定されている我が国が、中進国であるブラジル程度の経済力になった時、日本の外交力は著しく低迷することは避けられない。
しかし、積極財政を通じて成長力を取り戻せれば、経済大国としての地位を維持する道が開けるのだ。ここで述べたシミュレーションは、その可能性を明確に定量的に示している。
何度も繰り返すが、日本は今、まさに崖っぷちに立っている。
しかし、世界第四位で踏ん張っている、文字通り「今」なら、まだ間に合う。
だから、日本の復活は、今年の予算編成、すなわち、今月、来月で政府内で財務省を中心に様々な調整が図られている予算折衝で、日本を成長させることができる予算が組まれるか否かに、誇張でも何でも無く、文字通り全てかかっているのだ。
今こそ、経済大国・日本の再生に向けて、決断すべき時である。



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