━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2011/10/19 原発事故責任当事者東京電力が法的整理されない理由 第19号 ──────────────────────────────────── 東京電力が日本政策投資銀行に対して、5000億円の追加融資を要請する とともに、他行や政投銀からすでに受けている融資の賠償金への転用、東日本 大震災前に実行された約2兆円の融資の残高維持などについても要請する方針 であることが報道されている。 多数の民間企業が東京電力福島第一原子力発電所放射能放出事故のために相 次いで破たんしているなかで、責任ある当事者である東京電力が国の特別な支 援、つまり、一般国民の負担によって救済され、延命されていることについて、 その根拠が問われている。 本年3月11日時点において、原子力事故が発生した場合の損害賠償につい て定めを置いていた唯一の法律は「原子力損害賠償法」には、以下の条文があ る。 第二章 原子力損害賠償責任 (無過失責任、責任の集中等) 第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えた ときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに 任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生 じたものであるときは、この限りでない。 (一部略) 第四条 前条の場合においては、同条の規定により損害を賠償する責めに任ず べき原子力事業者以外の者は、その損害を賠償する責めに任じない。 原子力事故が発生し、損害をもたらした場合、その損害を賠償する責めは、 事故を発生させた当事者である原子力事業者が負うことを定めている。 この責任を負わせない場合があり得る、例外のケースとしては、 「異常に巨大な天災地変」による場合、 「社会的動乱」による場合 が定められている。 今回の東日本大震災が「異常に巨大な天災地変」に該当するのかどうかがひ とつの焦点であるが、「異常に巨大な」との範疇には属さないと見るのが、専 門家の大勢の見解であると思われる。… … …(記事全文5,538文字)

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