… … …(記事全文2,250文字)受託収賄罪、外国為替法違反罪に問われていた田中は、昭和五十八(一九八三)年十月十二日のロッキード裁判丸紅ルートの判決公判で、懲役四年・追微金五億円の実刑判決を受けた。国民の金権政治への批判を受けて、中曽根は、同月二十八日、田中に「国会議員の自発的辞職」を勧告した。
むろん、勧告を受けたからといって、素直に辞職するはずはない。中曽根もそんなことは百も承知だった。田中、中曽根の間で芝居を打ったのである。総選挙が近づいていたので、国民世論を交わすため、仮に辞職したとしても、大した実害はないという計算もあった。
もっとも、この田中、中曽根の思惑通りには、ことは運ばなかった。
板垣英憲(いたがきえいけん)情報局 ~マスコミに出ない政治経済の裏話~
板垣英憲(政治評論家)