Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

朝鮮半島の非核化の後に本格化する米中対立と日本の選択
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2018月6月20日第440号 ■   =============================================================      朝鮮半島の非核化の後に本格化する米中対立と日本の選択  =============================================================  朝鮮半島の非核化はもはや不可逆的だ。  しかし、その後にくるのは米中対立という、冷戦後の国際政治の最大のテーマだ。  そしてそれはもうすでに始まっている。  情報月刊誌ファクタの6月号に次のような記事を見つけた。  4月27日の南北首脳会談の時、文在寅大統領は米朝首脳会談では朝鮮戦争の終結が議題になるかも知れないと語った。  その場合は米朝首脳会談は、韓国を入れた三者会談、あるいは中国を入れた四者会談になるかもしれないと言った。  それを聞いた習近平主席が激怒したというのだ。  朝鮮戦争を戦った北朝鮮の後ろ盾は中国だ。  その中国をさしおいて、米朝会談に韓国が先に加わるとは何事だ。  順序が逆だ。  それを言うなら米中と北朝鮮の三か国、場合によってはそれに韓国を入れた四カ国首脳会談だろう、と。  中国の巻き返しはその時から始まった。  二度目の中朝首脳会談が急きょ行われ、シンガポールに向かう金正恩への中国政府専用機の提供があり、そして今度の三回目の中朝首脳会談だ。  北朝鮮の非核化と、その見返りとしての制裁解除は、中国抜きにはあり得ないというわけだ。  私が米朝首脳会談は、事実上の米中首脳会談だと書いたのも、そういう意味だった。  おりから米中はいま貿易問題で対立している。  外交・安保ではもっと激しく対立している。  南シナ海や台湾問題がそうだ。  6月18日の時事が配信し、毎日新聞が報じた。  中国は新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41」を近く実戦配備すると。  東風41の最大射程は1万2000キロであり、北米全域に届く。  移動式の多弾頭型で迎撃は困難だという。  北朝鮮の核の脅威など米国にとって北朝鮮に対する圧力の口実でしかないが、中国の米国に対する脅威は本物だ。  そして、ついにトランプ大統領は18日、「宇宙軍」の創設準備に着手するよう国防総省に命じた。  これは、いまや財政的に単独で宇宙ステーションを維持できる国は中国だけになってしまった事への巻き返しだ。  宇宙を軍事的に牛耳られては、米国の軍事覇権はあり得ないからだ。  かくして、朝鮮半島の非核化の後は米中対立が本格化する。  対米従従属の日本が本当に追い込まれる時はその時だ。  安倍首相ではもちろん中国と敵対するほかはない。  しかし、安倍首相が替わっても、米中軍事対立に正しく対応できる日本の首相は現れそうもない。  米中の軍事対立に正しく対応できる日本の首相は、憲法9条を国是として何よりも最優先し、いかなる軍事覇権国に対しても軍事力の行使を否定できる首相の他にない。  それこそが、新党憲法9条が目指す指導者である。  それを言い出すものが、今のうちに、政治の中から出て来なくてはいけないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年4月19日に利用を開始した場合、2024年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する